第6話

Ⅰ章⑤
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2025/12/02 22:00 更新
王様
......其れで決まりだな。アツシは今日中に発ちなさい

荷物も、町迄の従者も既に用意してある。
後はお前の準備が出来次第だ。
もう有無を云わせない
口調の父の言葉に、
アツシは観念して返事をしようと
口を開いた






其の時。
あなた
納得出来ませんわ!!!何故、一人でなくてはならないのですか!!??

二人で一緒に治める事だって、私達なら出来る筈です!!
いえ、絶対に出来ますわ!!!
今迄ずっと黙っていたあなたの下の名前(片仮名)が
怒声とも悲鳴ともつかない声で叫んだ。
王様
其れは出来ん。云ったであろう。
仕来りは絶対である、と。

あなたの下の名前(片仮名)、アツシ。お前たちは聞き分けが良い子達だ。
判ってくれ。此れも国の為だ。
“国の為”

其の言葉に、
あなたの下の名前(片仮名)は思わず怯んでしまう。
あなた
...だからって...ッ...アツシ...ッ
最早あなたの下の名前(片仮名)はきちんと言葉が出ない状態だ。

そんな華埜井鈴樂に、アツシゆっくりと
向かい合う。

涙をほろほろと零すあなたの下の名前(片仮名)と、
感情が表に出ていない、無表情のアツシ。

二人は暫く見つめ合い、
そして、アツシは意を決したように
王と王妃へと体を向け、
深く頭を下げた。
アツシ
.........今まで、有り難う御座いました。
お元気で......

そう云って、アツシは誰の顔も見ずに
王座に背を向け、歩き出した。
あなた
...!!!
あなた
待って、アツシ!!お願いっ!行かないでっ!!!
後を追おうとしたあなたの下の名前(片仮名)。
だが、直ぐに大臣たちに
捕まってしまった。
あなた
離しなさいっ!!アツシっ!!アツシ!!!

必死に弟の名を叫ぶ姉に、
アツシは漸く振り返った。

今まで暴れていたあなたの下の名前(片仮名)だが、
アツシの顔を見た途端、
ぴたりと其の動きが止まった。


アツシは笑っていた。

何時もと変わらない、あの優しい笑顔をあなたの下の名前(片仮名)に向けていたのだ。
アツシ
姉上......
 立派な王女になって下さいね。
そう云って、アツシは去っていった。

王の間から、



王宮から......








.........王国から。

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