カンナは手術の日からずっと、サネの傍から離れなかった。
そして3日が過ぎ、サネの点滴の管が外れて柵の中に入る許可がでると、カンナはサネの傍にぴったりと寄り添うようになった。
カンナはサネの口の周りについたご飯の食べかすをぺろぺろと舐めて綺麗にしていた。
サネがうっとおしそうに前足でエリザベスカラーを
叩いていた。
カンナはそっとサネに頬ずりすると、サネの体の毛づくろいを始めた。
傷のところは避けて、丁寧に舐めていく。
カンナはサネの毛づくろいをしながら幸せを噛みしめる。
元気なサネと、またこうして一緒にいられる事が何より嬉しかった。
カンナはサネにぎゅっとしがみつくのだった。
毎日夕方になると、ゲンヤはサネの様子を見にやってきた。
ゲンヤが来ると、サネはとても嬉しそうだった。
今も穏やかな表情で、甘えるようにゲンヤの指を舐めている。
それは、サネが唯一、飼い主である人間に見せる姿なのだとカンナは知った。
そしてまた、ゲンヤの方もサネの事を心から想っているのが、接し方からひしひしと伝わってくるのだった。
カンナはサネとゲンヤの姿を見ていると、幸せな気持ちになるのだった。
ゲンヤがカンナの背を優しく撫でた。
ゲンヤがカンナの頭を撫でながら泣き出した。
皆で和やかに過ごしていると、仕事を終えたすみがやって来た。
ゲンヤの言葉を聞いたカンナは、思わず息を飲んだ。
その事実はとても幸せなことのはずなのに、カンナの胸を締めつける。
カンナは寂しさを隠すように、わざと明るく振る舞うのだった。
そう‥‥一生会えない訳じゃない‥‥。
サネの幸せを思うなら、サネが飼い猫として生きていく事が何より幸せなのだと‥‥。
カンナはそう心に言い聞かせるのだった。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。