キルアの瞳が、わすがに揺れる。
ゴンが、横目で見る。
ティアラは、息を呑む。
声は穏やか。
でも、決して逃がさない。
風が、木々を鳴らす。
キルアは、一瞬だけ目を閉じる。
迷いを探すみたいに。
でも、すぐに開く。
即答。
その声に、震えはない。
ふっと、笑って言った。
でも、その瞳は、真剣そのもの。
一歩、前に出る。
三人を射抜く視線。
♢
♢
夜。
焚き火の火が、小さく揺れている。
ぱち、と乾いた音がして、火の粉が空に溶ける。
キルアは少し離れた場所に座って、
黙ってナイフを研いでいる。
一定の音。
無駄のない手つき。
静かで、正確で。
でも。
目だけが、違う。
あなたの話をしたときだけ。
あのときの目。
強い、とかじゃない。
どこか追い詰められたみたいな、恐怖に近い光。
オレは、立ち上がる。
迷ったけど、やめない。
隣に座る。
砂利が小さく鳴る。
キルアは視線を上げない。
低い声。
少しだけ迷う。
でも、逃げたくない。
研ぐナイスの音が、止まる。
わずかな沈黙。
火が、ぱち、と弾ける。
夜が、少しだけ深くなる。
喉が、少し詰まる。
それでも言う。
空気が、ぴたりと止まる。
ゆっくり、キルアの視線がこっちを向く。
冷たいわけじゃない。
でも、硬い。
低い声。
オレは、目を逸らさない。
キルアの眉が、ほんの少し動く。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!