人間…
この世界では数こそ少ないものの一匹毎に個性がある。もちろん個性があるという事は力の差や善意、悪意などもそれぞれ異なる。魔物と敵対しているものの人間同士で殺し合いなどが起きたことがある。
魔物…
数こそ多いが個性があるのは少数だ。だがそのお陰で無個性の魔物は個性を持つモンスターに従っている。だが、個性があるものは、自身の意思が無個性の魔物よりも強い故に極稀に不可解な行動をする者もいる。
個性のある魔物は人間に憧れる者もごく少数いて、魔物の国を抜け出し、人間の国に向かう者もいる。だが、人間からしたらただの魔物で、魔物からしたら裏切り者な故に生き残った者は少ない。
ごく一部の人間も魔物に憧れる。ただ、人間の場合は元のまま人間に溶け込む魔物とは違い、「禁術」を使用して魔物に近づく者がいる。
禁術を使用すると、身体が魔物に近づき
「人間で無くなる」
そんな術を使う者はもちろん人間からは狙われるが、魔物から狙われるかは別だ。
魔物の国にそのまま付くものもいれば、単独で行動する者もいる。
そう…例えば…
「私のように」
そういえば
魔物の国から抜け出したやつも見たことがあったっけ…
…うるさい
せっかく寝ようとしてたのに。
外は夜のはずが明るく、うるさい鳴き声も聞こえてくる。
これじゃ寝れない。
はぁぁぁ…
仕方ない…
私の家のそばに寝床を作ったほうが悪いよな?
そうに違いない。うんそうだな。
私は大きなハンマーを取ると、ツリーハウスから降りた。
私のツリーハウスがある木の下にはゴブリン達のテントが張られていた。
魔物の見た目をしている私はあまり警戒されて居なかったが、ゴブリン達の言葉が分かる訳でも無いし、第一こいつらと話し合う気は無い。
私は見張りのゴブリンをハンマーで倒すと、テントに能力で炎を付けた。
中からゴブリン達の悲鳴が聞こえてくる。
私の口角が上がっている気がする。
何時から私は他人の不幸を好むようになってしまったのだろう。
「あいつら」に似ていく自分に少し嫌悪感を感じる。
そんなことを考えていると突然誰かの声が聞こえてくる。
そう言って声の方を見ると人の形の魔物が木の後ろから見ていた。
水の魔法を投げようとしている。
水…
あいつらと同じ属性、そして人の形、そして私に言う言葉、すべて少しずつ気に触り、私はそいつに飛びかかった。
ウーパールーパーのような触角、水の魔法、何かいらつく言動、それをまとめてそいつのことを両生類と呼んだ。
そう言うとそいつは人間の国の方向に走って行った。
恐らくあいつは人間の国に味方しようと考えて居たのだろう。
まぁ多分今はもう人間に殺されてるだろうが。
しかし…何故あれ程いらつくやつに親近感を感じてしまったのだろう…
そんなことを考えながら眠りについた。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。