本当に寝てたのか怪しいくらい目が冴えてやがる土蜘蛛が、オレの隣に腰をかけた。
あのしかめっ面が、過去にしたことを引きずって頭を下げている様が、オレには面白おかしく見えた。
ゆっくり頭を上げた土蜘蛛は、目を閉じて、微かに笑みをこぼした。
お前ら、見てるか? お前らはきっと、こいつのことをいつまでも恨み続けちまうんだろうけどよ、オレはこいつについて行こうと思うんだ。この町を守るだけじゃねぇ。これは、お前らの仇でもあるんだよ。だから、土蜘蛛のことも、オレのことも、許さなくていいから見守っててくんねぇか? 約束する。ぜってぇ強くなって、いつかはこの手で凶悪妖怪を──だから今は、安らかに眠っていてくれ。
こうして、オレと土蜘蛛は、今まで以上に強くなるために、毎日修行に励んだ。
妖怪としての力を手に入れるために、あいつらのことを想いながらオレが命を落としたのは、また別の話。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。