第38話

どうも、不審者です 37
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2024/09/17 12:13 更新

ナベリウス・カルエゴ
好きに動いていいぞ。


「お前の姿は今、魔術をかけた俺以外には
見えないのだからな。」

そう言ってカルエゴ先生は自身の机に座ってしまった。

あなた
…… あー。



試しに声を発してみるが、誰もこちらを見ない。
どうやら私の声も聞こえないようだ。


高度な認識阻害とは言っていたけれど、
位階8のカルエゴ先生によれば
こんな魔術すらかけれるのか と素直に感嘆する。


あなた
なんか、特権って感じ ……


学年に二三人いるダリ先生ガチ恋勢とか、
絶対喜ぶだろうに、

私がこんな特権を手に入れるなんて
ほんの少し申し訳ない気持ちだ。

あなた
………


幽霊が存在するのなら、こんな気分?


案外私としては楽だし、生きやすい気分だけれど。



何もしないのは暇なので、うろちょろ職員室を
探索することにしよう。








あなた
………… あ、テストあったんだ。


職員室の机に置かれたテストの答案用紙を見たときは、
テストあったんだ と当然の如く他人事にそう思った。


あなた
…… 珈琲に砂糖入れないタイプなんだ、
オリアス先生。


マグカップに注がれた湯気の立っている珈琲からは
砂糖の色はなく黒一色なのをみたときは、

ほんの少し人間性が見えて親近感が湧いた。




あなた
………… あ、





「 対不審者 報告書 」

その書類を見たとき 私は何を思ったのだろうか。





あなた
………



「 生徒に心を開いてもらうには 」

そう付箋が沢山貼られた本が、警備教師さんの
机に置いてあった時、私は何を感じただろうか。





あなた
や、だ、……





「 _年_組 虐めについて 」


それを見たとき、私は、報告書を見れたのだっけ。





あなた
……… ぅ、

「 花壇 修理費用 」

その言葉を見た時、私は罪悪感を感じたっけ。




あなた
…………………








あなた
……… あは、は ……
あなた
………… その、教師服、
名前くらい書いといてよ……



いつかの日に 私にかけてくれたあの教師服が、

ダリ先生の椅子に掛けられていたのをみたとき。







あなた
……………… ありがとう、ございました。




私の声色が どうか震えていなかったことを

祈るばかりでしか あの時を思い出せなかった。






ナベリウス・カルエゴ
…………… 納得したか。
あなた
………… そう見えるなら、
そうじゃないんですかね。
ナベリウス・カルエゴ
そうか。 ……… 着いてこい。
戻るぞ、屋上へ。



何故か捨てれず持っていた缶ジュースを、
潰さないように握りしめた。


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