「めんどくさいなー。」
翔くんはそう言いながら自動ドアを気だるげそうに通る。
かくいう僕もめんどくさいと思っている。
今日も今日とて仕事。
僕と翔くんは同じ部署じゃないからエスカレーターまでは一緒。
「あ、ねえ大野さん。」
「ん、なに?」
「今日のさ夕飯何が良い?」
「うーん。」
いつも通りの会話。
夕飯の希望があったら答えるしなかったら翔くんが好きなように作る。
「今日はなんとなく肉詰めが食べたいかも。」
「お、いいね。ピーマン買っとくわ。」
「ありがとう。」
今日は翔くんの肉詰めがある、と思えば仕事早いかも、
なんて思いながらエレベーターに乗る。
チーン。
五階にエレベーターが止まると、
翔くんが他の人に潰されそうになりながら降りる。
チーン。
あ、七階。
僕の部署は人が少ないから降りる人も少なく、潰される心配はない。
安心安全。
「部長、おはようございます。」
「おはよう。」
後輩に挨拶されて、反動的に返す。
自分からしようと思うんだけれども、なんだかできない。
無愛想に見えてないかな、、。
あ、実は部長なんです。(照)
「部長、出社すぐで申し訳ないのですが____」
「今日のプレゼンの確認かな、見せて。」
「助かります。こちらです。」
部長ってこの部署では忙しいような忙しくないような感じ。
休み時間が長いからそこが魅力だと思う。(笑)
「ありがとうございました。」
「今日のプレゼンも頑張って。」
昼休み翔くん誘おうかなぁ。
先週翔くんが好きそうな蕎麦屋できたんだよな。
昼休みに翔くんがいる部署行ってみよう。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。