彼女を好きになることに
理由なんて要らなかった。
惹かれる理由を
彼女自身が持ち合わせていたから
きめ細かな肌
色素が抜けた白髪
上品さを持つグレーの瞳
自ら前に立つわけでもないが、
自然と人を引っ張ることのできる優しい性格
僕はきっと、
そのすべてに惚れてしまったのだと
後に思う。
同じクラス 隣の席
たまたま条件がそろっていた僕は
幸運だったのだ。
ダメもとでした告白も
「とーや」と目を細め笑う
彼女の姿、何もかも。
きっとこれは、たまたま僕であっただけで
誰でも変わりの利くモノだった。
彼女にそう告げられたわけでもない
ただ直感でそう感じただけ
だけど、僕は
この出会いを運命だと信じ続けた
そして、彼女との出会いは
必然だった。
そんな馬鹿げた勘違いをし始め
一年が経とうとしたころ
僕の人生には
決して関係ないだろう人が
地球上からいなくなったのだと思った
悪く言えば、
この人が生きてようが、
生きていなかろうが、
何もかも僕に影響はない。
そう、思っていた。
女子高生 にじ高 と聞き、鳥肌が立った。
同じ高校の女子高生
そんなはずはないのに、
僕は民衆をかき分け
ソレを目の当たりにした。
見間違えるはずがない
白髪 白い肌
しかし、美しいグレーの瞳が
見えることはない。
紛れもない
手毬 あなた の死体がそこにあったのだ
救急車であろう音が近づいてくる
だけど、僕にとって
そんなことは重要じゃなかった。
あなたを殺したのは誰なのか
あなたがいなくなっても尚、
僕は生きていけるのか













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!