第57話

55
697
2025/10/06 12:00 更新
夜になり、ジョングクの部屋は静かに包まれていた

カーテン越しの街の灯りが、淡く室内を照らすだけで、他には何も必要ないような空間


二人でソファに腰を下ろすと、
互いに少し離れて座って、
それはまだ、ぎこちないけれど

でも確かに指を絡め手をつなぐ。
手のぬくもりだけで、胸の奥のざわつきが少しずつ落ち着いていく。



「……ジョングク、なんだか変な気分だな」
俺が小さく呟く。


ジョングク
「変なって、どういう意味?」

テヒョン
「だって…あの頃の親友としての関係じゃないわけだし
それに変に緊張して……」

彼は俺の顔をじっと見つめ、少し笑う。

ジョングク
「俺も同じだよ。……でも、俺は嬉しい。」

ジョングクの言葉に小さく頷くと
彼は少し肩を寄せてくる。
その距離感がたまらなく心地よく、自然に俺も体を寄せ返す。


気がつくと俺は吸い寄せられるように、唇を重ねていた

わざと音を立てて唇を離すと
視線が絡んだまま離れず、互いの息が触れ合う


それから何度も繰り返す接吻
次第に甘く深くなり
口内を舐めますように動く お互いの舌

熱を帯びた吐息が混ざり合い、世界の輪郭が溶けていく
触れた唇の柔らかさも、相手の鼓動の速さも、すべてが愛おしくて仕方なかった




テヒョン
「チュッ、んは……明日からどうする?」

ジョングク
「……ハア…////
うーん、たぶん仕事もあるし、俺のこと見守ってくれ
れば……」

テヒョン
「見守るって、どんな感じ?」
俺はいたずらっぽく笑う。

ジョングク
「そ、そういうのは……その、自然に、ね」

思わず顔を赤くしながら答えるジョングクは、この上なく愛おしい存在だと実感した



そのまま、俺たちは再び互いの肩を寄せ合い、
何度目か分からないキスをする

言葉少なだけど穏やかに時間が流れていく。
初めて二人で過ごす夜は、ぎこちなくも甘く、
言葉にできない想いがゆっくりと、心に溶け込んでいった。

テヒョン
「……ジョングク」

ジョングク
「ん?」

テヒョン
「俺、ほんとに会いたくてどうしようもなかった…
会いたかったよ、だから、今幸せ」

ジョングク
「俺も、テヒョンに会えて、やっと……会いたかった」

テヒョン
「それと……愛してるよジョングク」


抱き寄せて耳元で囁くと、耳まで真っ赤にして
潤んだ目を向けるジョングク

手紙に書こうとしたけど、
やっぱり直接伝えたかったんだ




夜は長く感じられたけれど、同時に、これから始まる
俺たちの時間の序章のようで、
胸の奥は静かに、でも確かに満たされていた。

プリ小説オーディオドラマ