第8話

Story.7
133
2024/02/13 15:20 更新
sk
てかさ!ほんとに良いなぁ翔太!
ちゃんとコア貰ったことねぇもん、俺
 佐久間さんの話の飛び具体に驚きながらも、会話を聴く。
iw
俺らが貰ったコアのカケラ
もう切れちゃったし
 佐久間さんとの、人形ドールの話でも出てきた『コア』。

 これは人形ドールの動力源である宝石のような物体のこと。

 まだ詳しいことは判明していないが、なにしろ特別な力を持っているため、私たち人形師ドーラーがつくった人形ドールの心臓部分にはめ込むと、その人形ドールを動かすことができる。

 それが受賞した景品となっているのは、その希少性のせいだ。

 魔法でも再現できないような不思議なもので、代々、ある家系が守っており、毎年この期間には少しずつ提供してもらっているそうだ。

 命に手に入れるのに相応しい人形ドールでないともったいないから、という理由でこの方法になったが、個人的には賢い考えだと思う。

 だが実際に動かしてみないとどの人形ドールが良いかわからないため、私たち出展者には1人1つ、そのコアのカケラが渡される。

 とても小さくて、1日弱もつかどうかというほどのもの。

 審査されるにはこれで充分だが、なるほど、佐久間さんのように人形ドールともっと過ごしたい人にとっては、受賞景品であるコアは欲しくてたまらないものなのか。
 私にとっては受賞を重ねてプロになることの方が大切で、コアは貰えるから貰っておく、という程度のものだった。
 価値感の違いを感じておもしろい。
nb
あ、2人とももう切れちゃったの?
あなたさんの人形ドールは?
受賞経験多いから、大きめのカケラ渡されてると思うけど
あなた
え?
カケラの大きさって、受賞経験で変わるの?
 気にしていなかったがゆえの初耳情報に驚いた。
sk
えぇ、知らなかったの?
iw
けっこう有名な話だと思ってたけど
あなた
気にして…なかったから…
 私の表情が少し暗くなった事に気づいたのか、佐久間さんはうーんと唸りながら頭をガシガシとかいて、ふと笑顔をつくった。
sk
ねぇ、あなたちゃんの人形ドール、見に行こっか
俺もっかい見たいな、あの子
iw
いいなそれ、行こ
nb
さんせーい、行こ行こ
 次々に私の人形ドールが置いてある方向に向かって歩き出す。
あなた
え、ちょっ…
sk
ほら、あなたちゃんも行くよ?
sk
「向き合って」って、言ったでしょ?
 佐久間さんがこちらに差し伸べた手を取らない、なんてことはできず、しかたなく、駆け足でみんなを追いかけた。

プリ小説オーディオドラマ