道枝side
少し緊張しながらドアを開けると、大吾くんと長尾がソファに座ってた。
道枝「…長尾、もう大丈夫なん?」
長尾「…ん、もうへーき」
長尾は大吾くんにぴったりくっついて、頼るように服の裾をきゅっと握ってて。
俺、ここはいってきて良かったんかなぁなんて少しだけ不安になる。
…いやあかん、弱気になってる場合ちゃうやろ。
この前やなこと言ってごめんって、あやまらんと。
そう思ってたのに。
長尾「あのさ……みっちー、ごめんな」
なぜか先に謝ったのは、長尾の方やった。
長尾「…俺、最近みっちーのこと避けてもうてた。みっちーも気づいてたやんな」
道枝「…お、おん…でもそれはあれやろ、俺がこないだ無神経なこと言っちゃったから、」
長尾「…んーん、ちゃうの、」
長尾は泣きそうな顔で、力無く首を振った。
長尾「…ほんまは、みっちーの言う通りやってん。疲れてたししんどかったけど、それを自分でも認めたなくて。みっちーがずっと心配してくれてるの気づいてたのに、気づかへんふりしてた。ほんまにごめん」
道枝「…そうやったんや…俺もごめんな。心配するだけで、なんもできひんかった。どんな言葉かけていいのかもわからんくて…ごめん」
長尾「そんな、みっちーが謝ることじゃ、」
西畑「はいはいお二人さんちょっとストップやで」
2人で謝りあってきりがなくなってたところに、大吾くんが入ってきてくれた。
西畑「とりあえずお互い様ってことで。仲直りの握手で終わったらええんちゃう?」
道枝「えっ?」
長尾「……みっち、そうしよ?はい、握手」
道枝「…ん、そうやね」
少し恥ずかしかったけど、長尾が遠慮がちに手を差し出してきたから俺もそっと手を伸ばした。
俺より少し小さくて、細くて、あったかい手。離れていかないように握ると、長尾は照れくさそうに小さく笑った。
…俺は長尾のこと、太陽みたいやと思う。明るくて元気いっぱいで、なにわ男子を明るく照らしてくれる太陽。
でも、太陽だっていつも光っていられるわけじゃない。
光が大きいほど、影も大きいと思う。
俺はそんなとき、長尾を照らせるような存在になりたい。
取り繕った笑顔じゃなくて、心からの笑顔を引き出せるようになりたい。
…そのためには、逃げてばっかじゃだめやんな。
思ったことを素直に、まっすぐ伝えられるくらい、俺も強くならないと。
道枝「…なあ、長尾」
長尾「…?」
道枝「…俺、どんな長尾でも好きやで」
そう言うと、長尾は驚いたように少し目を見開いた。ついでに大吾くんも目を丸くしている。
…あー、やっぱ恥ずい。こんなこと、面と向かって言うことないねんもん。
らしくないこと言ったかもって、少しだけ後悔。
でも目の前にいる長尾があんまりにも嬉しそうに笑ったから、つられて俺も笑ってしまった。
【 e n d 】











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。