大西side
大西「あかん、遅なってもうた…」
思ったより打ち合わせに熱中してもうて。
この後撮影やからすぐ終わらせようと思ってたのに結構時間がたってしまった。
もうみんな着替えとか終わってるかな。俺も早くせな。
そう思ってたんやけど、楽屋のドアを開けるとまだみんなおって、なんかバタバタしてる。
なんかあったんかな…?
そう思って楽屋の中を見回すと、ソファに座ってる大ちゃんと、大ちゃんに寄りかかるようにして目を閉じている謙杜。
謙杜がなんだかすごくぐったりしてるように見えて、慌てて声をかけた。
大西「なあっ、大ちゃん」
西畑「ん?ああ、流星おつかれ」
大西「謙杜、どうしたん?なんかあったん?」
西畑「ん、なんかな、体調悪かったみたいで」
大西「そうなん…?熱とか?」
西畑「ではないんやけど、さっき急に吐いてもうて。けっこうしんどそうやったから心配なんよな…どうしたんやろ」
…熱はない?吐いた?
大西(まさか、)
さっき謙杜は、ここに来る途中で階段から落ちた。
しかも背中側から。
怪我もなく元気そうに見えたけど、もしそのとき頭を打ってたとしたら?
吐いちゃったのも、そのせいだとしたら…、
大西「大ちゃんっ、」
思わず声が震えた。
西畑「どうしたん?」
大西「謙杜…、病院連れてった方が良いかもしれん、」
西畑「え?」
大西「さっき、さっきな、謙杜、階段から落ちて…、もしかしたらそのとき、頭打ってたかもしれんねんっ、」
俺の言葉に大ちゃんも、近くで聞いとった大橋くんも目を丸くする。
大橋「えっ……、それほんまに?」
うなずいた瞬間、じわりと涙が滲んだ。
やっぱりあのとき、大丈夫なんて自己判断したらあかんかったんや。
どうしよ、どうしよう、謙杜に何かあったら…っ、
西畑「流星、落ち着いて。とりあえずマネージャーさんに言って病院連れてってもらおう」
大橋「…や、待って。今確かエレベーター止まってるやんな?」
大西「…あ、うん、点検中で…」
大橋「そうすると、俺らで背負って階段降りるのはちょっと危なない?頭あんま揺らさん方がええやろうし、救急車呼んだ方がええかなって…」
西畑「…うん。確かに。頭のことやし怖いもんな」
俺がおろおろしてる間に大ちゃんはテキパキと救急車を呼んでくれて、みっちーと一緒に楽屋に来たマネージャーさんにも一通り説明してくれて、
到着した救急隊員の人たちによって、謙杜はあっという間に病院へ運ばれていった。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!