宮舘side
大切なあの子の声が聞こえたから、振り返ってみれば、やっぱりあなたはそこにいて。
優しく俺に近付いてきた。
顔バレしても知らんよ、と付け足されながら。
優しい?
本当に優しいのはあなただ。
この子はそれを分かってない。
グループが…俺が、あなたにどれだけ救われてるのか、あなたは全く知らないようだ。
そう言って俺は、袋を持ってない左手で、同じく袋を持っていないあなたの右手を握った。
あなたはびっくりしてたけど、俺は気付かないフリをして手を繋いだままにする。
ちょっと照れて言うあなたの横顔を、笑いながら俺は見てるけど、今、圧倒的に余裕が無いのは俺の方。
だってさっき、気付いちゃったんだよ。
自分の本当の気持ちに。
あなたは嬉しそうに笑った。
本気だとはたぶん伝わってないと思うけど、今はそれで良いと思う。
時々、2人になりたいとか、翔太に嫉妬したりとかはするかもだけど。
別に焦ってはいない。
周りがあなたにどれだけ近付いても、俺はゆっくり自分のペースであなたと関わりたい。
それが俺のスタンスだから。
誰よりも、あなたへの想いは深いと言えるから。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。