第9話

逆光のエース、再臨 —未来編(プロ)—
4
2026/04/30 09:25 更新
歓声の質が違う。
高校とは比べ物にならない観客数、照明、熱量。
プロリーグ。
そのコートの中央に、五色工は立っていた。
「サーブ、五色!」
トスを回しながら、軽く息を吐く。
(ここまで来たか)
ネットの向こう。
見慣れた顔。
影山飛雄。
そして——
日向翔陽。
「来いよ、五色!」
日向が笑う。
あの頃と同じ、真っ直ぐな目。
五色は口元を上げる。
「いくぞ」
サーブトス。
ジャンプ。
ドンッ!!
鋭いジャンプサーブがコートに突き刺さる。
「ナイスサー!!」
味方の声。
だが影山はすでに動いている。
「まだだ」
トスが上がる。
日向が飛ぶ。
(速い)
だが——
(見えてる)
五色も跳ぶ。
タイミングを“半拍”ずらす。
ドンッ!!
ブロックアウト。
ラリーが続く。
影山の変幻自在のトス。
日向の爆発的スピード。
それでも——
「全部、通じる」
五色は呟く。
過去で積み上げた経験。
そして、この世界で磨いた現在。
両方を持つ唯一の存在。
試合終盤。
一点差。
影山がトスを構える。
(来る)
だが次の瞬間。
(違う)
フェイント気味のセットアップ。
裏をかく攻撃。
——普通なら。
五色は一歩先に動く。
ドンッ!!
完全なシャットアウト。
観客がどよめく。
試合終了。
五色のチームの勝利。
ネット越し。
日向が笑う。
「くっそ強いな!」
影山は短く言う。
「……化け物」
五色は肩で息をしながら答える。
「そっちもだろ!」
本心だった。

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