あなたside
2ヶ月。
私がリョウくんと連絡を取らなくなってから経った期間だ。仕事で一緒になってしまわないように私は日程を調整しながら、自分の仕事をこなしていた。他の社員からあがってくる声を聞いている限り、リョウくんは順調に仕事をこなしているみたいだ。やはり、私ひとりいなくなったところで特になにかが変わるわけではないのだ。その事実に少し悲しくなりながらも、私は自分の人生を生きる。
ときどき、もし私の人生にリョウくんがいたら…と考えることがあるが、虚しくなるのですぐにやめてしまう。
リョウくんに出会わなければ、私はただひたすらに仕事をして、家に帰ってゲームをするアラサーだったのに。それが今ではこんなにも変わってしまった。リョウくんがいないとゲームは楽しくないし、声を聞きたいし、会って話したい。自分からもう会わないと決めておいてリョウくんのことが恋しくなっているのに嫌気がさす。
そんなとき、一件の着信が入った。
着信主はユーキさんだった。私になにの話があるのかは分からないが、仕事を早く終わらせて職場近くのカフェで待ち合わせた。
自分の悩みを、抱えているものをここまで人に話したのはユーキさんが初めてだ。きっとユーキさんが聞き上手だからだろう。
疑問に思う私をよそに、ユーキさんは私の後ろを見てニヤニヤしている。
……と思えば、ユーキさんは急に私に近づいて抱きつこうとしてくる。戸惑っていると、後ろからユーキさんから距離を取るようにして誰かに抱きつかれた。
…鼻をくすぐる優しくて安心する匂い。リョウくんの匂いだ。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!