みんなが好きなくせに、
もう、叩かれるのは嫌で、
逃げてしまった。
ドラムを叩くことは、やめられないくせに。
みんなから逃げることは、やめられないくせに。
強がって、強がって、
お母さんから、「もう少し」頑張ればよかったのに、
そう言われてしまった。
私なりに「沢山」向き合ったつもりだった、
でも、確かにそっか…
周りからしたら、私なんて一つも頑張ってないんだ
私が、少し進んでみんなとバンドできてれば。
私が、少し進んでみんなと笑い合えたら、よかったのに
そんなのはただの願望で、
今更「やっぱなし」はできない。
そんなわかってる、分かってる…
後から後悔するくらいなら、
私は……
「どうするば、よかったのさ」
そこからは、音楽が嫌いになった。
ギター、ドラム、ベース、キーボード、ボーカル、
ここから出来る音楽が聴きたくなくなって
みんなにも流行りにもついていけなくて
また、後戻り…
とりあえず聞いてみよう、とカバンからスマホとイヤホンを取り出した。
極論、私はギターの音すらに聞きたくなかった。
でも自分のドラムを必要としてくれた、という微かな希望から、その曲を再生した。
入のギター…難しいけど迫力がある、
ドラムもリズミカルで引きつけられる、
何より歌。
ルカちゃんはしっとりとした歌の雰囲気があったから
こんな力強くてかっこいい大人っぽい、Theロックって感じの歌を歌っているのにびっくりした
私は久しぶりに〝思い切り叩きたい〟と思えた。
今なら、必要としてくれてる、
深い関係じゃないから…この信用が一番心地よい














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!