歪んだ愛情
これは必要なこと
彼が安心するためにはこうするしかなかった
sw「あなた、行ってくるね
この部屋からは出たらダメだよ」
「うん」
sw「約束。外は危ないから」
優しく微笑みながら、彼は鍵をかける。
その仕草が、まるで当たり前の習慣みたいで。
彼がこうなったのは私のせい
私が悪いから
最初は、心配してくれる人だった。
連絡が遅れれば、声を落として理由を聞くだけ。
誰といたのか、どんな話をしたのか。
それも全部、私を想ってのことだと思っていた。
sw「あなたは、僕のことだけ見ていればいいよ」
その言葉が、胸に心地よく残った。
必要とされている気がして、嬉しかった。
部屋は静かで、外の音はほとんど届かない。
彼が用意した服、彼が選んだ食事、彼が決めた時間。
私の一日は、すべて彼でできている。
sw「誰かに見られるの、嫌でしょ」
sw「僕が全部守るから」
そう言われるたび、首に見えない輪がかかっていく。
でも、それを外そうとは思わなかった。
sw「ここにいれば、誰にも奪われない」
sw「あなたは、僕のだから」
囁く声は穏やかで、怒りはない。
ただ、断定するような言い方だった。
彼が幸せならそれでいい
私の人生は全部彼にあげる
TV「続いてのニュースです。先月から行方が分からなくなっているあなたさんですが、行方不明になる直前の行動が明らかになりました。警察によりますと___」
sw「ほら、また余計なこと言ってる」
彼は静かにテレビを消して、私の手を包む。
逃げ道を塞ぐみたいに、指を絡めて。
sw「もう、僕だけでいいよね」
私は頷く。
それ以外の選択肢は、最初から存在しなかった。
これが私たちのあるべき姿












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!