愁斗 side
もう何が何だか分からなかった
ケビンくんは楽屋を飛び出して
ふみくんは命の危機
そして兄は過呼吸
こんなのって
ないよ
とりあえず何かしなきゃいけない
周りに気を配ることは誰よりも得意なはずなのに
今は目の前のことで頭がいっぱい
ケビンくんに声をかけられて
ようやく我に返り
ひでを楽屋に連れ戻した
様子がおかしい
俺の名前を自然に呼んでる
自然というか
いつもみたいな、
全部思い出したんだと思った
ひでは何も言わないけど
抱きしめて確信に変わった
静かに俺も涙が流れた
しばらく経っても涙はおさまらなかった
でもお互い目が合って
笑ってるのか泣いてるのかわからないじゃん、笑
結局、収録は延期になってしまった
楽屋に戻ってきたメンバーに
ひでが治ったことを伝えた。
全員で泣いたのは久しぶりだった
全て元通りだった
でも
ふみくんの首についた痕と
少し包帯を巻いた足は
俺の兄が原因
それは唯一残ってしまった傷だった
リーダー、頼もしすぎるよ.
意味わかんねーよ、笑
どいつもこいつも…笑


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!