目が覚めた。起き上がると体が軽かった。
熱はもう引いているようだ。
仕事に行こうと電話をかけようとすると、ツララから「今日は休みにするように言っておいた」とメッセージが来てきた。
仕方ないのでゴロゴロすることに。
ひたすらゴロゴロし始めて早30分。
私はどうにも体を動かさないと気持ち悪くなる体らしい。
職人病かなと思いつつ、久々にゆっくりできる日なのでマーチェット通りをぶらぶらすることにした。
イマドキな服からレトロな服、純喫茶を思わせるようなアクセなど、様々なジャンルの「オシャレ」が立ち並ぶ通りをひたすらに眺める。
こういうのもたまにはアリだな。
気がつくともう日が暮れていて、せっかくなので夜からオープンするお店も見てみることにした。
柔らかな色のランプが灯る路地に入ると、突き当たりにおしゃれなバーの看板が。
3階建ての建物で、1階は物置。2階がバーになっているようだった。
そして3階は……
キャバクラだった。
とりあえず、バーに入ってみることにした。
軽快なベルの音とともに、初老のオーナーが迎え入れてくれた。
アンティークな雰囲気で、結構人が多い。
もしかしたら有名店なのかもしれない。
案内されたカウンターの隣の席に、背の高いスーツを着た男の人が座っていた。
えっ?
まっ……えっ?
なんっで…なんっでっ!オーターさんが………ッッッ…
メニューに目を走らせた。
そして、今の私に必要なお酒を発見した。
エンジェルショット……注文することで、相手に気づかれることなく店側にSOSのサインを出すことができるというもの。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!