【 ニーゴKAITO side 】
部屋の主がいなくなった彼奴の部屋で、無機質な時計の音だけがカチカチと鳴り響く。
突然相手に逃げ出されて、暫くの間は呆然としていた俺もやっとのことでベットから降りて今から服を羽織り始めた。
部屋から出ると、リビングを見渡しにいく。しかしそこは当然のごとく誰も不在で。それは現在夜の時間だけあって、皆各自の部屋で思い思いの時間を過ごしているからであろう。
だがビカだけはそれと例外であることが確かで。
予測していた通り、玄関まで行って目をやると、ドアが半開きになっていた。.....相当慌てて出て行ったのか。
もう日はすっかり落ちて、外には冷たい風だけが吹き乱れている。
だが彼奴は、そんな中を1人で慌てて....。
気づけば、靴を履き出そうと俺の身体は勝手に動いていた。
無事両足履き終えると、徐にドアノブへ手を伸ばしたが。
後ろに誰かの気配がして、咄嗟に振り返る。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!