第19話

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2025/10/27 10:40 更新
【 ニーゴKAITO side 】

奪われてしまった。俺の最初が、1番目が。それも相手は自分と血の繋がった兄弟で。
ッ..........、
酷く彼奴に染められてしまった気がする。この感情や思考回路、全てのものが。

行為が終わって少し肌寒くなってきたせいか、軽く自分の肩を抱く。
......ッ、おい。ビカ。
ベッドの上で俺と向かい合って座る目の前の彼奴に声をかけ。俯いている顔を覗き込むようにすると、互いの目が合った。
ッ、!!
ぼんやりとしていた瞳が俺の姿を捉え始めると、やっとのことで焦点が合い。その瞬間、ビカは酷く驚き、動揺しているようなのか激しく瞳が揺れた。
.....ご、ごめ、ご、ごめんッ、!!
だんまりしていた彼奴が突然口を開けば、そう謝罪をしてきたのだから驚いた。俺はなんと返せばいいのか言葉に詰まる。その間もビカは、落ち着きがないように何度も何度も「ごめんごめん」などと繰り返し。

......俺もここで簡単に許せるような、そんな心の広さは持ち合わせていない。無理矢理あんな事をさせられて...
ッ、っ、っ.....、!!
俺が返事のため口を開きかけた直前、ビカは勢いよく立ち上がって。慌てたように服を羽織ると、逃げるように部屋を出ていってしまった。

俺だけがポツンと1人、部屋に取り残される。突然部屋に静寂が訪れ。

....先程のシーンが脳内で回想される。去り際、俺はビカの背中に誰よりも寂しさを感じた。抑えきれない悲しみを背負っていたように見えた。
何故だかその姿に、俺もグッと胸を締め付けられてしまっていることに気が付いた。

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