その言葉に迷いはなかった。
本当に、根から教師気質なのだろう。
・・・・だからこそ、隠された警戒を感じる。
私は改まって声をかける。
これから言うことは、私にとって死活問題。
重要なことだ。
例えれば、土井先生は少し考え込んだ。
言えない。
土井先生の声質が鬼舞辻にそっくりだなんて。
私の過去を聞いていた彼に言えない・・・・
・・・・ふぅ、これでひとまず安泰だ。
すると突然、土井先生はなにかを思い出したような声を上げた。
どこかの部屋に入って戻ってきた土井先生は手になにか持っていた。
私は刀を受け取り、じっと見つめる。
“滅”と彫られた刀に、目頭が熱くなるのを感じた。
城下町の拠点にあった刀よりも、何倍も手に馴染む。
これがあるだけで、私の心に強い安心感が生まれた。
ひどく感動する私を、土井先生は暖かな眼差しで見つめていた。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!