あなたside
体育祭から1週間
廊下でまた呼ばれる
また2年の先輩
今日は友達もいる
自然に隣を歩くと周りがザワつく
でも私は気にしない
勉強の話だし
図書室にまた向かい合って座る
先輩が笑う
先輩は楽しそうに目を細める
明らかに勉強だけの空気じゃない気がした
帰り際
先輩は少し言葉に詰まる
悪気がないその言葉に先輩は苦笑する
先輩はにっこりと笑って黙っていた
翌日の昼休み
2年の先輩が1年の教室前に来る
女子が一斉にこっちをみる
差し出されたのは紙袋
コンビニの新作ドリンクが入っていた
私は少し考えて言った
教室に持って入ろうとする
先輩が一瞬固まる
先輩は軽く笑って答えた
阿部side
その光景を見ている俺の手が少しだけ強ばる
俺は短く答えた
でもあなたちゃんは
と普通に女子たちに配っている
波紋の中心で全く揺れない
放課後
めめとあなたちゃんと一緒に帰る
絶対違う、
そう思ったのに、俺は目を閉じてこう答えた
それ以上は言わない
言わないんじゃなくて言えない
好きなのは自分なのに
動いているのは俺以外の人
あなたちゃんはまだ気づかない
その温度差に



















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。