ニキ side___
高校での撮影が終わって
ダンス部を見たあと他の部活も見たけど
結局あなたは居なくて…
だから今向かってる次の学校なんか
正直興味も湧かない
車に揺られながら
近所だから帰り道でどこかにいるかもって
移動中も外を眺めてた。
あ~ あなたもカタコトだったけど
頑張って話してたなぁ...
これじゃ、だめじゃん...
本当、最近頭の中はあなたのことばっかり
ダンス教えて仲良くなってから、なんて
回りくどいことしないで
早く誘ってたらこんなに後悔しなかったのかな...
ヒョンたちがいつもみたいに
大声で話してるのに全然頭に入ってこないし
全部右から左に流れていくし
気づけば話にひとつも関連しないことを考えて
会話もさっきのことと
何も繋がらないことを言ってる
まだあなた誘ってないけど
よく考えたら
俺が勝手に練習生にすることは出来ないし
スカウトするならヒョンがするんだから
確認しておかないとだった
憂鬱だったけど
スカウトの許可も貰えて
見えてきた学校からは
自分達の曲が聞こえてきて
少し気分が上がった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!