第66話

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2026/02/12 13:00 更新
宣言から数日。
オフィスの空気は、少しずつ“日常”に戻っていった。

騒がれない。
特別扱いもしない。

それが、何より健全だった。



午前の定例ミーティング。

🐰「この工程、来週前倒しできます」
🐯「根拠は」
🐰「外注先との調整が済んでます」

🐯「……了解。通そう」

やり取りは簡潔。
感情は挟まらない。

でも、そこには
対等な信頼があった。

誰も、そこに疑問を挟まない。



会議後、部長がぽつりと言った。

「……いい関係だな」

それは、
恋人としてではなく。

仕事の相棒としての評価だった。



午後。
クライアントとのオンライン会議。

説明役はグク。
質疑の補足はテヒョン。

言葉を被せない。
視線で理解し合う。

🐰(……近い)
🐯(……分かってる)

でも、それは
“甘さ”じゃない。

積み上げた時間の距離感だった。



会議終了後。

「……さすがですね」
「安心して任せられる」

そんな言葉が、
自然にグクへ向けられる。

グクは、少しだけ息を吐いた。

🐰「……やっと、並べました」

それを聞いて、
テヒョンは短く笑った。

🐯「ああ」

🐯「最初から、
 引き上げるつもりはなかった」

🐯「隣に来るのを、
 待ってただけだ」

その言葉に、
グクの胸が静かに熱くなる。



終業後。

フロアを出る直前、
テヒョンが低く言った。

🐯「……今日は、真っ直ぐ帰るぞ」

🐰「え?」

🐯「仕事は終わった」
🐯「あとは……」

一拍。

🐯「恋人の時間だ」

グクは、思わず小さく息を吸った。

🐰「……はい」



並んで歩く帰り道。
まだ、人目はある。

だから、触れない。
近づきすぎない。

でも。

🐯「……よくやった」

ほんの小さな声。
でも、確かな労い。

🐰「……ありがとうございます」

その言葉が、
今日一番、胸に残った。

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