街に響き渡る大きな音。
そして住人の、悲鳴。
ここは世界のどこかにあると言われる魔法の国。
…とは言ってもこの世界でも魔法使いは数が少なく
強い魔法使いはごく稀だ。
だから魔法使い達は人々から大切にされてきた。
魔法使いの仕事は、
度々現れる特殊な魔法を使う生物「怪物」を倒すこと。
魔法使いの人生には、
危険の色が濃くまとわりついている。
だから、魔法使いという自らの身分を隠して
ひっそりと暮らす者も少なくない。
そんな中、人を守るために活動する
魔法使いグループが存在した。
本来中高生くらいの年齢である彼らに、
家族はいない。
皆、大切な人を魔法の力によって
理不尽に奪われたのだ。
まだ若い彼らだが、
その優しさと魔法の技術には
目を見張るものがあった。
そのグループの名は__
逃げ惑う人々の中、
1人の幼い少年が
まわりの人の足につまずいて転んだ。
怪物はその少年の方へ身体を向けた。
誰もが目を瞑った、その時。
ガキィィィィンッッ
2人の青年が少年の前に立ちはだかり
攻撃を防いだのだった。
3人を守るそのシールドは
光と影を混ぜて織り込んだかのような
不思議で美しい色をしていた。
慌てて立ち上がった少年は、
すぐに顔を歪めると、
ふたたびしゃがみこんでしまった。
それを見た先程のシールドの青年のうち
もう1人が仲間の名を呼ぶ。
ジン、と呼ばれた青年どこからともなく現れると
少年の方へ目を向け、察したように頷いた。
そっと少年の手をどけ、怪我したのであろう足に
手をかざす。
ふわっと、少年の足を
暖かいピンク色の光が包む。
少年を見送るジンの目は優しかったが
その瞳の裏には、
怪物への確かな怒りが秘められていた。
先程のシールドの青年、ユンギとジミンは
またお互いの魔法を合わせ、
技を繰り出そうとしていた。
2人の間にシールドと同じ色の球ができる。
2人はそれを怪物に向けて放った。
怪物は小さくよろけたが、
体勢を立て直すと2人をぎろりと睨んだ。
怪物は標的を2人へと変え、向かってくる。
2人の名を呼んだ青年が2人の手元に剣を作り出す。
ジミンはありがとう、と言いたげな視線を彼へ向け、
ユンギと共に怪物へと斬りこんでいった。
構築魔法を使った青年、テヒョンは
怪物と自分たちのまわりに大きなシールドを張った。
関係のない人々を巻き込まないようにするためだ。
と、シールド内が炎に包まれた。
その中央に、これまた1人の青年。
彼が軽く手を振ると、炎はさらに勢いを増す。
名前を呼ばれた青年がまた1人、やってくる。
その途端、
炎の中から無数の石たちが飛び出してきた。
炎を纏った石は怪物に次々に当たる。
怪物が彼ら2人の方を向き、
襲いかかろうと手を伸ばした。
…が、2人の余裕の表情は変わらない。
急にふっと炎が消えた。
すると、次は一面に広がる花畑が現れたのだ。
美しい景色と立ちこめる香りに
怪物すらも一瞬、その動きを止めた。
どこまでも広がる花畑の中にたった2人、
人間がいた。
お互いの手を合わせ、顔を見合わせる男女。
少し似た2人の顔立ちから兄妹であるとわかる。
2人が合わせた手を天へと突き出した瞬間、
美しかった花畑は色褪せ、大荒れの嵐となった。
そして、大きな落雷が怪物を貫いた。
苦しむような声をあげて、怪物は消えていった。
彼らが倒したのだ。
わぁぁっ!
歓声が上がった。
喜ぶ街の人々の中で
彼らは顔を見合わせ、ふっと笑みをこぼした。
月明かりが、彼らの笑顔を優しく照らし出していた。
彼らの名は、「BTS」。
これは、人々を守るために戦った
ある8人の物語。






















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!