いつものように始まった通話
他愛もない話。
笑って、ツッコんで、また笑って
全部昨日と同じみたいで
軽く言ったつもりだった
でも
あなたの声が少しだけ止まる
空気が一瞬だけ静かになる
おかしい。
昨日確かに聞いた
同じ時間、同じ声で、同じ内容を。
少しだけ考えて
そう言って笑う
いつも通りの空気に戻る
戻ったはずなのに
どこか引っかかる。
でもそれを無理やり押し込める
何気ない会話
でも
今度は少し強めの反応
おかしいのは、私?
それとも────
少しだけ心配そうな声
言葉を探すように
心臓が少しだけ強くなる
すぐに返す
間を空けたら、何か崩れそうで
あなたは深く追及はしない
それに少しだけ安心する
自然な流れで聞く
軽い返事
ぽつりと出た言葉
少しだけ慌てて
笑いながら
その“多分“に、少しだけ引っかかる
通話が切れる。
静かな部屋
小さく呟く
スマホを開いて通話履歴を見る
昨日も確かに話してる
時間も長さも同じくらいに
メモを開く。
昨日のページ
『コンビニの話』『甘いもの食べたって言ってた』
ちゃんと書いてある。
間違ってない。
じゃあ、
少しだけ呼吸が浅くなる
でもすぐに深く息を吐く
何度も繰り返す
ゆっくりとメモに書き足す
『同じ話を初めてしたみたいに話した』
『覚えていない』
ペンが少しだけ震える
でもそれでも書く
小さく笑う
その言葉はやけに自然で。
違和感なんてどこにもなかった














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。