「帰らないで」
そう、ねぎりょーに言われた時は心臓が飛び出すほど驚いた。少し泣きそうな顔でこちらを見つめる。
てっきり、俺がいると苦しいと思っていた。
理由を聞くと、「一人でいるのがしんどいだけ」と微笑んだ。
ちょっと安心した。
俺は謝罪した。酒に付き合わせてしまって悪かったと。
すると彼は「突き飛ばしてごめん」と謝った。
俺は普通にリアクションしてしまった。
すかさず誤魔化す。「なんの話?」と。
ねぎりょーがニヤッとした。何が悪い事を考えている時の顔だ。
「記憶にないんだもんな」と、挑発する。知らない。俺は知らない。すると、
「あのセリフ嫌じゃなかった」と言われた。
·····!?
今なんと言われた?!
まさか、、、
ねぎりょーに責められた。
そんなんだから女性にバレるんだって。
俺は謝った。物凄く、安心した。
今は酒がなくても言える気がする。
自信が出てきたから、しっかり彼の目を見て。
告白した後、俺らは抱きしめあった。
――――――――――
この感情を、ずっと誤魔化すなんてことは出来なかった。
責任として、絶対に俺はねぎりょーを幸せにする。
周りなんて気にしている場合ではない。俺は誰よりもねぎりょーを好きである自信があるし、俺の事をもっと好きになってもらう。
いままでも、そしてこれからも。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!