わたしは一人、屋上へ来た。
遺書は書いた。
無駄なものは捨てた。
だって、死ぬために来たのだから。
屋上特有の少し重たい扉を開ける。
そこには、夕日にたそがれている…
フリをしている女子生徒がいた。
少し高いところでハーフツインに結った髪の毛が夕日に照らされていて、儚げだ。
その子は靴を脱いで、フェンスの向こう側に立ち…
彼女は怯える素振りを見せず、淡々と話す。
わたし自身、どうして彼女に声をかけたのか分からない。
ただ、なんとなく、
先をこされるのが少し釈だった。
声を震わせて泣き叫ぶ。
そのまま、声を噛み殺して泣いてしまう。
わたしは一呼吸置いた。
認められたかった…?
悔しい…?
ふざけないでよ………
わたしは半泣きで叫ぶ。
そのまま、彼女をフェンスから引き剥がす。
彼女………愛莉ちゃんは渋々名前を言った。
流れで自分の名前を言う。
愛莉ちゃんは微笑んでから、そう言った。
最初に見せた強張った表情とは裏腹に
優しく、幸せそうな顔を見せた。
そういうと、愛莉ちゃんは屋上の扉へと歩いて行く。
その行動を自然と目で追う。
そして、最後に、こう言ってから消えていった。
って。
あーあ。今日は死ねないな
でも、明日がある。
明日が無理でも、明後日も明々後日もある。
それまでわたしは生きていなくちゃいけないけど。
屋上から出たとき、愛莉ちゃんは本当に幸せそうに笑っていた。
扉のガラス部分に写った顔しか見えていないから、
事実かは分からないけど。
よければ…!














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!