私永友 良菜は今バスから降りて周りを見渡している
そんなことを悶々と考えながら歩いているとあっという間に彼の家の前まできてしまっていた
押そうか押さないかと迷っていたらいきなり
ガチャ!
と音がして急に玄関の扉が開いて
見覚えのある可愛らしいけど眉毛が太い男の子が現れた
勇君は淡々とそう言って癖っ毛な髪をいじいじしながらドアを閉めてしまった
Kの表記の下に小日向の文字が表記されていた慧斗意外小日向は誰もいないのできっとこれで間違いないだろう
プルルルルルと着信音を鳴らしてみたが全く出る気配がない
連絡先の蘭を最初から最後まで目を凝らして見てみたけど小日向という名字は一つしか登録されていなかった
しばらく慧斗のスマホを鳴らしっぱなしにしてたらやっとのことで慧斗の電話が繋がった
電話が繋がって嬉しくて名前を呼んだが嬉しいという気持ちは一瞬でなくなった
聞き慣れない女の人の声に驚きながら彼女ではないということを否定した
急に女の人の声が震え出したのでなんだろうと思いスマホによく耳を傾けることにした
その数分後女の人が涙を流しながら電話越しで謝ってきた
一瞬何を言われたのか分からなかった
ただ言葉も声も涙も出てこなかった
頭がボーッとした
でも、重要なことは聞かなければならなかった
あわあわしながら良菜に慧斗が運ばれた病院の名を口にして下を向いて俯いていた
その後すぐに村田病院に向かうために場所検索していると慧斗のスマホから電話がかかってきた慌てて出ると
よく慧斗君と同じぐらい聞いた男の子の声がした
陽太が泣きながら伝言を言って電話を静かに切った
その場に倒れ込むように泣き崩れて数時間くらい泣いた声が枯れるぐらい好きな人のためだけに泣いた
それから2、3時間後ぐらいだったろうか良菜は三館公園へと足を向けてヨロヨロと歩き始めたのは
最初は行く気なはさらさらなかったけれどなんだか行かないと一生後悔するような気がしたのだだから今行かないと今向かわないとそんな気がして涙を拭いながらゲホゲホ咳をしながら二人がいるであろう三館公園へと歩き出した















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!