観覧数が1000…1500…と、どんどん増える
大丈夫、落ち着け
いつものファンミと変わらない数だろ
この言葉で、チャット欄が早く流れる
ちょこちょこ、予想していたリスナーさんはいるようで
「やっぱり…」と言う声も上がっていた
ないこさんの言葉で、数人、抜けていくのがわかる
…が、やはり増加の方が高く、人数が増えていった観覧数はもう4000人近くもの人がいた
ああ、なんでこの子はさっきかられむの心配をするのだろう
自分だって辛いはずなのに
…思い出したく、ないはずなのに
それでもなお、れむの心配をしている
…しゃるちゃんの優しさだって…知ってるよ
そのおかげで、少しだけ落ち着けた気がする
チャット欄が、荒れる
知ってた、このこといっただけでなんとなく分かってしまうのは
…もう、それ以外想像できないよね
しのが泣いたことを皮切りにうるちゃん、しゃるちゃんも続けて泣き出してしまう
そりゃそうだ、思い出したくもない、あの日
…今でも、鮮明に覚えている
会議室の蒸し暑さ、社長の慌て具合、メンバーの泣き顔…
れむも、ダメだった、目から雫が静かに落ちてくる
観覧数が上下する
増えたり、減ったり
聞いてられなくて、抜けた人
絶望して、何もできない人
信じたくなくて、チャットで叫んでる人
…そう、なるよね……
チャット欄も、カメラも、ないこさんも、見る気になれなくて
近くにいたしのに泣きつくことしかできなかった












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。