第33話

No.31 知らない 私
327
2026/02/18 23:49 更新





相澤 消太
  お前の個性がなんなのかを調べる   



あなた
  ……私の個性、ですか?   



まさか、そうくるとは。


外ではみんなが
各々の個性を伸ばすために
鍛錬を行っている。


てっきり私は

増強型の人達にでも混ざって
参加するのかと……



相澤 消太
  知っての通り、俺の個性は 抹消 だ   
相澤 消太
  俺の個性を使った前後での
お前の変化を観察し確認する


相澤 消太
  現状、気になるのは二つ  


相澤 消太
  一つは、その 呼吸 が
本当に個性じゃないのかどうか
相澤 消太
  もう一つは
体育祭で見せた、技の変化だ



─── 体育祭。


炎の呼吸を、初めて使った時。



うまく説明はできないけど、

内側から湧き出るようにして
力が使えるようになった。


まるで、

本当はずっとそこに
力があったかのように。




相澤 消太
  まずは、いつも通りに呼吸を使え   
あなた
  あ、使ってます、今も   
相澤 消太
  ………   
相澤 消太
  傍目じゃわからんが、本人が言うなら   
まぁそうなんだろう






相澤 消太
  ─── じゃあ、いくぞ   



先生の髪がふわりと浮いて
するどい視線が、まっすぐ私を捉える。












あなた
  ……呼吸は使えてますね、ひとまず   


ここまでは、正直想定内。

気になるのは
炎の呼吸だ。


突然使えるようになったこと考えると



もしかしたら……


あなた
  炎の呼吸 参ノ型 ──   


あなた
  気炎万象……!   



振り抜いた軌道に
確かに 炎 の意志が乗る。





けれど、



相澤 消太
   変わらないか   
あなた
  ……そう、ですね  



……残念なはずなのに。

これが個性ではなかったことに
どこか、安心している自分がいた。


だって、もしも
個性だと言われてしまえば

研鑽してきたつもりだったそれを
否定されてしまうような気がして。




相澤 消太
  ……仕方ない   


相澤 消太
  もう一人、ここに連れてくる   
あなた
  もう一人……?   



✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼








物間 寧人
  アハハハハ!お呼び立てとは光栄ですねェ     
イレイザーヘッド!



……こいつか。


体育祭のときもそうだけど、
何かにつけてA組にネチネチ絡んできてた。


物間 寧人
  担任自ら個別検証とは……   
ずいぶんと手厚い扱いだ
物間 寧人
  さすがはA組、お高く止まってるなァ!   
あなた
  ………   



言いたいことをグッと飲み込む。


これは、私のため、私のため。
個性を把握するために必要なこと……









物間 寧人
  うーん、" スカ " ですね   
物間 寧人
  本当に、個性があるならですけど   

あなた
  " スカ "……って?   



曰く、物間くんがコピーできるのは
" 個性の性質そのもの "らしい。


例えば、何かを溜め込み
エネルギーにするような個性の場合
その蓄積まではコピーできない、と。




物間 寧人
  つまり 、  



物間 寧人
  おそらく君が持っているのは
" 溜め込む系 "の個性なんだろう







あなた
  ……あ 、  








あなた
  ありがとう……!!   


気づけば
物間くんの手を両手で掴んでいた。


あなた
  初めて、自分の
個性のことがわかった……!
あなた
  溜め込み系なんだね、私!   
物間 寧人
  は 、ちょっ……   



あなた
  コピーしてくれて、ありがとう!   




私の言葉に、
物間くんの瞳が 揺れたような気がした。



物間 寧人
  ……別に、

物間 寧人
  僕は事実を述べた、だけだ   




それは、細い糸を手繰り寄せただけの
囁かなものだったかもしれない。


けれど

たしかにそこにあるのだ、と
知ることができたことは

私にとって、確実に大きな一歩だった。




✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼




  ─── その日の夜、また夢を見た。



水の上に咲く華
そこに蝶が止まっていて



怒り、悲しみ、そして安堵。



胸の奥に込み上げるようにして
感情が溢れてくる。



いつもと、同じ夢。






だった、はず。













  ……どうして 、  





声が、した。



  嫌いだったんじゃ、ないの?   


  私のこと   








あなた
  ……っ……!   



目を開けると、
そこには合宿所の天井。


頬を涙が伝っている。



あなた
  誰……?



何度も何度もみた夢に、
はじめて聞いた声。




──── 何かが



静かに、そして確実に
動き始めていた。




✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼

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  つなこさんが この話をどう読んでいるのか
気になるところです🫣

忙しぐれいさんをひそやかに応援してます(՞ •̀֊•́՞)ฅ

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