まさか、そうくるとは。
外ではみんなが
各々の個性を伸ばすために
鍛錬を行っている。
てっきり私は
増強型の人達にでも混ざって
参加するのかと……
─── 体育祭。
炎の呼吸を、初めて使った時。
うまく説明はできないけど、
内側から湧き出るようにして
力が使えるようになった。
まるで、
本当はずっとそこに
力があったかのように。
先生の髪がふわりと浮いて
するどい視線が、まっすぐ私を捉える。
ここまでは、正直想定内。
気になるのは
炎の呼吸だ。
突然使えるようになったこと考えると
もしかしたら……
振り抜いた軌道に
確かに 炎 の意志が乗る。
けれど、
……残念なはずなのに。
これが個性ではなかったことに
どこか、安心している自分がいた。
だって、もしも
個性だと言われてしまえば
研鑽してきたつもりだったそれを
否定されてしまうような気がして。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
……こいつか。
体育祭のときもそうだけど、
何かにつけてA組にネチネチ絡んできてた。
言いたいことをグッと飲み込む。
これは、私のため、私のため。
個性を把握するために必要なこと……
曰く、物間くんがコピーできるのは
" 個性の性質そのもの "らしい。
例えば、何かを溜め込み
エネルギーにするような個性の場合
その蓄積まではコピーできない、と。
気づけば
物間くんの手を両手で掴んでいた。
私の言葉に、
物間くんの瞳が 揺れたような気がした。
それは、細い糸を手繰り寄せただけの
囁かなものだったかもしれない。
けれど
たしかにそこにあるのだ、と
知ることができたことは
私にとって、確実に大きな一歩だった。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
─── その日の夜、また夢を見た。
水の上に咲く華
そこに蝶が止まっていて
怒り、悲しみ、そして安堵。
胸の奥に込み上げるようにして
感情が溢れてくる。
いつもと、同じ夢。
だった、はず。
声が、した。
目を開けると、
そこには合宿所の天井。
頬を涙が伝っている。
何度も何度もみた夢に、
はじめて聞いた声。
──── 何かが
静かに、そして確実に
動き始めていた。
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つなこさんが この話をどう読んでいるのか
気になるところです🫣
忙しぐれいさんをひそやかに応援してます(՞ •̀֊•́՞)ฅ












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。