朝…ジェルは目覚ましの音で目が覚めた。
今日は友達とのお別れの日だ…。こんな自分とも仲良くしてくれた唯一の友達だ。
そんな事を思いながら学校の準備をし、いつも通りキッチンに向かった。
料理をしながらそう思った。相変わらず表情は変わらない。料理をし終えるとジェルは部屋に戻った。
時刻は7時半。階段を降り玄関へ向かった。
ジェルはさとみに着いて、リビングに向かった。さっきまであんなに騒がしかったリビングはジェルが来た途端静かになった。
ジェルはそう言うとキッチンに向かい皿洗いを始めた。
時刻は8時。皿洗いが終わり、さとみとジェルは雑談をして暇を潰していた。当たり障りの無い話だ。ジェルはふと時計を見た。
ドアを開け、何処か楽しそうに学校へ向かった。
るぅとらは2人を眺めながら気まずそうにしていた。なんて声を掛けていいのか、どうやって接したらいいのかも分からない。
〜学校〜
ジェルは靴箱に入っていた紙を広げた。
「ジェルへ
嘘付いてすまん
実は俺…病気で入院するんだ
いつまでかって?さぁ、治るまでかな
俺が手紙でジェルに伝えたい事が2つあるんだ
1つ目…俺はジェルに多分もう会えない
俺は今市外の病院に居るんだ
到底会える距離じゃない
それに学校も転校するらしいんだ
お別れが出来なくてごめんな…
2つ目…もう笑わなくていい
知ってるんだぞ?
奇病にかかってるんだろ?先生から聞いたんだ
…だからもう笑わなくていい
俺から言いたい事は以上だ
じゃ、また会えたらいつものように話し掛けてくれよ
ジェルの親友より」
ジェルは生まれて久しぶりに泣きそうになった。知っての通り目からは何も出なかった。ジェルはただニコニコとしているだけだった。いや、何処か悲しい顔をしていたのかもしれない。
ジェルは手紙をカバンの中に入れ教室に向かった。
さとみはジェルの表情に違和感を覚えた。少し悲しそうだなとそう思った。表情はニコニコとしているが何か引っかかった。
さとみはそう思いながら自分の教室に向かった。
ガラガラと教室のドアを開ける。騒がしいクラスメイトを横目に自身の席へ腰を落とす。
まさかクラスメイトが声を掛けるとは思わず、少し反応が遅れたが挨拶をした。
クラスメイトは気まずそうにそう言った。その視線の先には友達の席だった場所が映っていた。
クラスメイトはほっと胸を撫で下ろした。その後、すぐにチャイムが鳴り皆が席に着いた。
(放課後)
ジェルはそんな事を思いながら帰る用意をし、教室を出て玄関で靴を履き替え家に向かって歩いた。その途中で莉犬とるぅとを見かけた。信号待ちをしていた。
2人で何か楽しそうに話している様だ。暫くして信号が変わり莉犬達は横断歩道を渡った。するとトラックが莉犬達目掛けて猛ダッシュで突っ込んで来た。
ジェルは全力で走り莉犬達の背中を思いっきり押した。




















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。