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第1話

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29
2026/03/02 07:28 更新
今から約100年後。
ロボットと人間が共に生きていく社会。
ロボットは、まだ感情はないが、人間とそっくりで見分けがつかないぐらいだと言う。
これは、あるロボットと人間のお話。
私は、N8976。
釼(けん)博士に作られたメイドロボット。
メイドロボットは、主人の役に立つために人間が生み出した最先端のロボット。
私は、8976体目だ。
釼博士
N8976!!
N8976
N8976
はい。どういたしましたか?
釼博士
ここの拭き掃除をしろ。
N8976
N8976
かしこまりました。
釼博士
S8978!!
S8978
はい。どういたしましたか?
ロボットの仕事は、命令されたことを完璧にすること。
失敗は許されない。
釼博士
ガッシャーン
N8976
N8976
ビクッ
今日もまた、壊された。これで何体目だろう。
失敗したロボットは、失敗作として壊される。
運が良ければ捨てられる。
私達はそれに怯えている。
一度失敗してしまったらもう取り返しがつかないから。
釼博士
また材料の無駄だったな...
いい材料を調達してこないと。
お前ら、仕事をしておけ。俺は出掛ける。
N8976
N8976
かしこまりました。
私はメイドロボットの中でも優秀なロボットだ。
一番博士から期待されていて、完璧なロボット。
なはずだった。
その時は突然訪れた。
釼博士
N8976。来い。
N8976
N8976
はい。今すぐ参ります。
新しい仕事の命令だと思っていた。
釼博士
お前はもう用済みだ。
その瞬間。
私の日常は音を立てて崩れた。
私は、外に放り出され、捨てられた。
運が良かった。
壊されなかったのは幸福だった。
最初はそう思っていた。
でも、雨が降っても、雪が降っても、私は動くことができなかった。
放り出された際に、足が少し壊れてしまったからだ。
何もできなく、孤独で、孤独で...
人間のように、食料が要らないため、捨てられたロボットに待つ運命は一つのみ。
壊れることだけだ。
N8976
N8976
早く、 ジジ 壊れてしまえば   ジジ いいのに。
私はずっとそれを願っていた。
毎日、少しずつ壊れていく私の体を、ずっと見つめていた。
『もっと早く、早く壊れて...』
神様は意地悪だ。
私が毎日どんなに願っても、願っても、
壊れるスピードは、ずっとゆっくりなまま。
私の心は、心の部分は、黒く闇に染まり始めていた。
でもある日、そんな闇の中を光が照らした。
人間
大丈夫?
君が声をかけてきたその瞬間からだった。
私の運命の、
いや、人生の歯車が動き出したのは。
君のお陰で私は、救われたのだ。
孤独から解放されたのだ。
ありがとうの代わりに、君を救いたい。
私は、そう思った。
N8976
N8976
何か、お礼をさせてください。
こんな失敗作を救ってくれたお礼に、私が出来ることを何でもする。
捨てられた私が、壊れてしまう前に。
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