第29話

勤務開始
309
2024/08/06 12:04 更新






目的地の屋敷に着くとそれぞれ部屋を案内された。




案内された部屋に荷物を置き、テーブルの上に置かれた服を持って指定された空き室に向かう。




私よりも先にグレーテとリリィがそこで待っていたが、ジビアの姿が見えない。
あなた
……チラッ
ふと2人が手にしている服を見る。2人には手袋が支給されていないようだった。
あなた
(クラウスが手配してくれたのか……)


袖の隙間から痣が見えないように『肌荒れしやすい』とでも言って配慮してくれたのだろう。


キィ
ジビア
……

私が来てすぐにジビアが部屋にやってきた。かなり険しい顔をして。
あなた
……しかめっ面
ジビア
うるせぇ

鋭い目つきで手にしているメイド服を睨みつけていた。


ガチャッ キィ


しばらくして別の扉が開かれ、私たちは一斉にそちらの方を向く。


扉の先から出てきたのは、金髪の、力仕事が得意という快活な笑みを浮かべている女性だった。
オリヴィア
アンタたちが新任のメイドねっ!
オリヴィア
ウーヴェ邸へようこそっ。私はメイド長のオリヴィアよ

そう名乗る女性に私たちは履歴書を差し出す。
オリヴィア
宗教学校の休暇中のアルバイトか。奇妙なタイミングの休暇ね。まぁ、政治家さんの推薦だから、身分を疑っている訳じゃないけど


それから彼女は怪訝そうな面持ちで頭を搔いた。
オリヴィア
えぇと、なんで、この白髪の子はメイド服を睨みつけているの?


鋭い目つきでメイド服をずっと睨みつけている。
ジビア
…………なんでもありません
オリヴィア
……チラッ
オリヴィア
あぁ……なるほどね


と何か察したように言ってオリヴィアさんは苦笑いを浮かべた。
*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――


オリヴィアさんの指示でメイド服に着替えた。



黒のワンピースに白いエプロン、カチューシャを着けて最後に手袋を嵌めれば完成だ。
あなた
……髪縛るか

メイド業に励むのに、腰より下まで伸びている髪の毛は流石に邪魔になる。

髪の毛を左サイドに縛って、1部を引き出しながら三つ編みをする。それをピンで止めてお団子にした。
あなた
……
かなり動くのが楽になる。










潜入先の下調べは私とグレーテで済ませている。


屋敷の主の名前はウーヴェ=アッペル。現役の上院議員だった。


裕福層の既得権益を手厳しく批難し、貧困層の生活改善を推進している。現在は福祉関連の予算確保のために、奔走しているらしい。


だが、こんな山奥に住んでいるのは不思議だ。

バスに1時間乗り、バス停から更に1時間歩いてやっとたどり着く。当然、首都からかなり遠い。








ガチャッ キィ
リリィ
あ、あなたのセレネちゃ___!

先程来ていた空き室の扉を開くと部屋いた3人の体が一斉に硬直した。



__私の頭を見て。
グレーテ
……

グレーテも少し驚いている様子。
あなた
あー……邪魔だったから縛ったんだが、変か?

あなた
変なら取るけど…
リリィ
いえいえ、めちゃくちゃ似合ってます…びっくりするほどに……
グレーテ
はい、とてもお似合いです…ニコリ

リリィが硬直したまま口だけ動かし、グレーテはにっこり笑顔でそう言ってくれる。


2人が言うなら大丈夫だろう。
あなた
なら、いいか……
ジビア
……

私から視線を外してジビアが再びメイド服を睨みつける。
リリィ
ぷぷっ。もしかしてジビアちゃん、エプロンとかスカートとかに抵抗を覚えるタイプですか?あまり可愛い服とか好きじゃなさ痛あぁっ!


ニヤニヤと口を歪めながら言うリリィをジビアが殴った。

かなり気にしているらしい。
ジビア
うるせぇ。次バカにしたら殴るぞ
リリィ
既に殴っておいてっ?

拳を掴み合う2人の隣では、グレーテがテキパキと支度を済ませていた。
あなた
グレーテを見習うべきだな……

グレーテはテキパキと2人の隣で支度をしている。


ジビアとリリィも支度を進めた。
グレーテ
……しかし、奇妙なお屋敷ですね
あなた
……
「「ん?」」
グレーテ
……物が少なすぎます。世襲議員の屋敷は、普通、もっと華美な内装なのですが
あなた
……そうだね
あなた
応接室には絵画のみ、客人が入らない廊下は華美な芸術品は何も無い……もっとあっていいくらいだ

壁にはひびが広がっているほどだ。
ジビア
へぇ、2人とも詳しいんだな
グレーテ
……実は、わたくしは出自が政治家の家なのです
あなた
父方の祖父が政治家だった.......
ジビア
え、マジでっ?

とてつもなく驚かれているが本当のことだった。グレーテに言うのも初めてだ。
リリィ
グレーテちゃん、政治家の娘さんだったんですね…
あなた
私も今知った……
リリィ
あなたのセレネちゃんも、お爺様が政治家さんだったんですね…なんだか意外です
あなた
まぁ……そうだろうね

グレーテからは品の良さが感じられるから、政治家の娘と言われても納得もできるだろう。自分にそんなものは備わっていない。


私の出自自体は芸術家だ。が、家は持家だった。両親の結婚祝いで祖父がプレゼントしてくれたらしい。住居費は祖父に甘えず一家できっちり払っていた。

お坊ちゃん育ちの父が、自分の好きな道で生きていくのに親を頼るのは恥ずかしいと自ら申し出たと聞いている。
あなた
(……関係のないことは忘れよう)

と軽く頭を振って任務に集中する。
グレーテ
……もしかしたら、ここのご主人は気の難しい方かもしれませんね
あなた
……相当頭が固いかもな

同意するようにグレーテが頷く。
ジビア
オーケー、わかったよ。メイド服に尻込みしてる場合じゃねぇよな


ジビアは宗教学校の制服を脱ぎ捨てると、早着替えでメイド服を見に纏った。

グレーテも意気込んでいるようだ。
ジビア
こっからは気合い入れていく。初日から飛ばしていこうぜ

そう不敵な笑みを湛えて、私たちは任務を開始した。
*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――















ヌシシ
ヌシシ
はい、主です。出てこないと言いながら出てきてごめんなさい!
ヌシシ
ヌシシ
突然ながら、表紙絵を変えることにします!
ヌシシ
ヌシシ
理由はですね.........進める小説の巻事に表紙絵を変えるのも面白いかなぁと思いまして!
ヌシシ
ヌシシ
色々考えた結果、変えることに決定しました!
ヌシシ
ヌシシ
で、その次の表紙絵なんですが……
ヌシシ
ヌシシ
今回の挿絵で出したイラストにしようと思います!
ヌシシ
ヌシシ
あ、ひとつ注意しますと.........
ヌシシ
ヌシシ
ちゃんとこれ、主が描いてますっ
ヌシシ
ヌシシ
今まで出した絵よりもクオリティが断然違うのですが.......頑張って練習しました……
ヌシシ
ヌシシ
と、言うことです!
ヌシシ
ヌシシ
それではまた会いましょう!
ヌシシ
ヌシシ
今後ともよろしくお願いします🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️

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