第26話

第三章 いにしえのきおく⑸
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2021/04/17 13:03
スタッフ「やっぱり行ってきた方がいいって、」

深澤「大丈夫だって、すぐ治るから。それより、今日の仕事は雑誌の取材か、どんな服来て行こう、」

スタッフ「だめ、行ってきて。今日から1週間のお仕事はやって。でもそこからはキャンセル、もしくはお仕事を断るから、」



扉の向こうからは、激しい口論が聞こえた。



深澤「はぁ、俺は大丈夫だって。」

スタッフ「分からないよ、やってみないと、」

深澤「でも今は有り難く頂いたお仕事をしたいの、」

スタッフ「っ、でも、」



困り果てたスタッフに助け舟を出す様に、俺はドアノブを捻った。



岩本「ふっか。」

深澤「照っ、」

岩本「体調が良くなかったら、有難いお仕事も出来なくない?」



一筋の光が差した様な目で俺の方を見る。
“ありがとうございます”
そう念力でも使っているのか、
心の中で、微笑んでしまった。



深澤「それはっ、そうだけど、」

岩本「俺が言える事じゃないけど。俺らにとっても、1人1人にとっても、大切じゃない時間ってないと思う。」

深澤「っ、…」





岩本「9人、欠けちゃ、駄目じゃない?」



それは確かに、本心だった。

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