コンビニで買ったレトルトのおかゆを湯煎にかけながら、ロウは居間のソファを振り返った。
毛布にくるまった星導ショウは、濡れタオルを額にのせてぼんやり天井を見ている。
返事がない。
ロウは火を止めて鍋からおかゆを取り出し、器によそった。
台所から戻ってくると、ショウは視線だけを向けてきた。潤んだ目がほんの少し赤くなっている。
拗ねたような口調が弱々しい。
ロウはソファの前にしゃがみこんで、器をそっと差し出した。
ロウの声がやさしくなる。
普段なら冗談の一つでも飛ばすところだが、ショウの様子に冗談を挟む余裕はない。
目の前の相方は明らかに弱っている。
ショウの声が震えた。
大粒の涙が目尻から零れて、頬を伝って毛布に落ちた。
ロウは驚いて言葉を失う。
しゃくりあげる声が毛布の中にこもる。
ロウはそっと手を伸ばして、ショウの頭を撫でた。
ショウがかすかにうなずく。
再びこぼれる涙に、ロウの胸がきゅっと締めつけられる。
弱っている星導ショウのその姿は、どこか無防備で、儚げで──
だからこそ、ロウはそばにいた。守りたくなった。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。