あなたSide
あなた
『はぁー、本当に推しの子最高…………!』
ギュウーっと私が抱きしめているのは【推しの子】の漫画
世界中で有名になって、漫画を普段読まない人ですら名前は知っているほど有名な漫画
私はこの漫画が大好きだ
あなた
『でも、やっぱり、みんな幸せになれるルートはないのかなぁ…………』
【推しの子】はどう抗ってもハッピーエンドにはなれそうにない
そもそもアイが死んでいるイベントがある時点でアクアは闇に堕ちるわけだし…………
そんな事を考えながら、不意に時計を見る
あなた
『ってやばー!今日、友達と遊ぶ約束してたのに!!』
時計を見て慌てる
13:00に遊園地集合の約束を忘れていた
あなた
『ヤバいヤバい!急げー!!』
最低限の準備を済ませて外に出る
あなた
『えーっと………確か、この辺で待ち合わせのはず…………』
友達
「あなたー!!」
いた!
友達の方へ向かって走る
あなた
『ごめん、遅くて………』
友達
「大丈夫!5分くらい待つからー!」
あなた
『本当にありがとぉ!マジでごめんなさい…………!、、』
友達
「ま!とりあえず、行くよー?」
あなた
『はぁーい!!』
私の友達はいい奴だなぁ…………
あなた
『疲れたぁー!』
友達
「だねぇー」
遊園地にある湖近くのベンチに腰を下ろす
あなた
『でも、楽しかったね〜!』
友達
「うん!じゃあ、そろそろ帰るかぁ〜」
あなた
『あ!ちょっと待って!自販機で飲み物だけ買ってきていい?』
友達
「分かった!待ってる!!」
まさか、これが友達と話す最期だとは思っていなかった
自販機で飲み物を買って友達の元へ戻る
あなた
『あぇー、混んできたなぁー?』
湖の近くで、もうすぐパレードがあるらしく、人だかりが出来ている
あなた
『すいません………通りまーす…………』
人の間を通って行く
その時、人一倍強く人にぶつかる
その瞬間、ぐらりと視界が揺れる
あなた
『え……………?』
バシャッと音を立てて、自分が湖に落ちた事に気付いた
冷たい水を服が吸収して、体はどんどん重くなる
苦っ…………
苦しっ……………
助けてっっ…………
ぼやけた視界と酸素不足でフラフラしている頭をなんとか起こして、藻掻く
でも、私の体は沈んでいく一方
湖の外が騒がしい
誰かっ………………
助け……てっ…………
あぁ、アクアも、こんな感じだったんだ…………
あなた
『はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、』
パチっと目を覚ます
あなた
『あれ?生きてる……………?』
生身の体に鮮明な視界
しかし、私が今いるのは何もない、全く知らない空間
??
「どーもどーも!」
背後から急に話し掛けられる
あなた
『は、は、は、はい!?!?』
??
「そんなに慌てなくて大丈夫だよ~!」
振り返ると少しチャラい知らん人
死んだと思ったら知らん人いて慌てないやついる?
あなた
『あのぉ………その、どちら様でしょうか……………?』
誘拐犯とかだったら困るからそれとなぁーく質問する
??
「あ、言ってなかったっけ?どーもー!神様でーす!!」
あなた
『……………厨二病…………………??ヤバい人……………?』
流石にこの歳で厨二病拗らせてるのは痛いけど……………
神様
「厨二病じゃないから!!ヤバくもない!そんなふうに言うなら来世芋虫とかにするよ?」
あなた
『来世……………?』
神様
「せっかく転生先、選ばせてあげようと思ったのにー!」
あなた
『転生?、、、』
まって…………私って、もしかして………………
あなた
『死んで、、る……………?、』
神様
「あれ?気付いてなかったの??」
あなた
『いやいやいや、まさかー!』
神様
「そのまさかだよ!」
あなた
『…………………まさか』
神様
「あー、ちょっと、次の仕事もあるからさ、決めよっか!」
あなた
『え?何を??』
神様
「転生先」
あなた
『な、なるほど?、』
神様
「で、どこがいい?」
あなた
『え?どこって?』
神様
「なんでもいいから!好きな漫画とかない!?早く言って!!」
あなた
『えぇっと、推しの子とか!?』
自称神様の口車に乗せられ答えてしまう
神様
「おけおけ!他には?こうなりたいとか!」
あなた
『こうなりたい、……?、』
神様
「顔可愛くなりたいとか、賢くなりたいとかさ!」
あなた
『えっと、じゃあ、めちゃくちゃ顔可愛くて、めちゃくちゃ賢くて、めちゃくちゃ運動神経良くて、めちゃくちゃ演技力あって、めちゃくちゃ歌とダンス上手くて…………とか?、』
【推しの子】の世界で必要なスキルの最低限を言う
神様
「おけおけ、じゃ、来世も頑張ってね!」
ポチッと神様がボタンを押すとパカッと床が開く
あなた
『あぇ?あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!』
パチッと目を覚ますと見知らぬ人
状況から察するに親だと思う
お母さん
「あなたちゃーん、お母さんでちゅよー」
お父さん
「お父さんだよー」
あの自称神様、どうやら本当の神様だったようです……………












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!