『ごめんなさい、ごめんなさい』
「謝ることしか出来ねえのかてめぇは!口を動かす前に手を動かせよ!」ドンッ
『はい、』
毎日毎日こんな日々、親の命令で盗みをし、家事をし、殴られて、
ああ、あの人たちのような綺麗な着物を着たいなぁ、簪なんてつけたりして、髪の毛を編んでみたり。
いつか私もあんなふうに…
「飯も用意できねえのかよ!使えねえ!遊郭に売り飛ばすぞ!」
『ご、ごめんなさい』
『それだけは…やめて』
「だったら早く作れよ!」バンッ
『はい…』
⤵︎ 夜
湯浴みなんて最後にしたのはいつだったっけ…
「おいちょっとこい」
『え、なんで…』
「こいって言ってんだよ!」
『…』
??「この小娘か?」
「はい!家事も出来て、顔も整っております!」
??「…ここに乗れ」
『…え?』
「乗れって言われてんだから乗れよ!」
『な…んで?売り飛ばさないって言ったじゃん』
「…なんのことだ?」
『…嘘つき!』
⤵︎
『…』
私と同じような子が何人もいる…みんな売り飛ばされるんだ…
⤵︎ 吉原にて
??「こいつを雇ってくれねえか奥さん」
「えぇ…でもうちはねぇ…」
??「こんな見た目だけど美人なんだ」
「わかったわ…あんたこっちへいらっしゃい。」
『…』
こうして私は遊郭に売り飛ばされた












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!