第2話

🌖
9
2025/05/26 11:20 更新
君は、雨が降っても雪が降っても寒くても暑くても、
毎日同じ時間に来てくれた。
気付けばあんなに小さかった私が十四になっていた。
毎日毎日退屈な日々に変わりはなかったけれど、
君が来てくれる時間が近づくほど私の胸は高まった。

そんな時、私の周りに異変が起きた。
鈴
あのね、最近人が来るようになったの
「君」
「君」
ん?もしかして僕のこと??
鈴
ちがうちがう(笑)君は『最近』じゃなくて『ずっと』でしょ?
「君」
「君」
確かにそうだったね、(笑)
ついうっかり
君は、私のことを笑顔にさせる天才だ。
どれだけ不安な夜でも、君は私のことを笑顔にさせた。
鈴
話が全然進まないじゃん(笑)でね、
ご飯を渡してくれる人だけじゃなくて
「是非貴女と話がしたい!!!」
って言う人が来るようになったの。
でも君みたいに楽しい話じゃないんだ……

『貴女はかの有名な貴族のご子息。さあ、こんな狭くて暗い部屋から出て、私の家に行きましょう!』
鈴
そんな話ばっかり。
毎日毎日違う家の人が来るから大変なんだ
「君」
「君」
へぇ………それで、鈴は何処かに行くの?
鈴
ううん、何処にも行かないつもり。
だって何処かに行ったら君と会えなくなるもの、そしたら楽しくないからさ
「君」
「君」
……………そっか、嬉しいな
でも!!案外楽しいかもよ?
鈴
そうかなあ……
あまり想像できないや(笑)
途中聞き逃してしまった君の言葉。
本当に本当に小さな、本音を言うように呟いたから、
全然聞き取れなかったんだ。
でも私は大したことないだろうと気にも留めなかった。

プリ小説オーディオドラマ