君は、雨が降っても雪が降っても寒くても暑くても、
毎日同じ時間に来てくれた。
気付けばあんなに小さかった私が十四になっていた。
毎日毎日退屈な日々に変わりはなかったけれど、
君が来てくれる時間が近づくほど私の胸は高まった。
そんな時、私の周りに異変が起きた。
君は、私のことを笑顔にさせる天才だ。
どれだけ不安な夜でも、君は私のことを笑顔にさせた。
『貴女はかの有名な貴族のご子息。さあ、こんな狭くて暗い部屋から出て、私の家に行きましょう!』
途中聞き逃してしまった君の言葉。
本当に本当に小さな、本音を言うように呟いたから、
全然聞き取れなかったんだ。
でも私は大したことないだろうと気にも留めなかった。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!