冬の小樽は思った以上にさむかった。
ホテルのロビーで私は時間を忘れて話していた。でも30分もたつと、さすがにこの辺で。。と思いおやすみを、言うと電話をきった。
なんだか、寂しさがのこる。いかんいかん、花音初日から、ホームシックか?私は、ロビーのソファーから立ち上がった。
(橋本)随分長い電話でしたね?
私は話しかけられて振り返った。
彼は背が高くて茶髪の私と同じ年頃の男性だった。
私はあやまった。
(橋本)嫌、君が余り楽しそうに喋っていたから。彼氏か誰かと?
私はきまり悪くなって、その場を慌てて去った。今度からは、自分の部屋から電話しよう…私は思った。
次の日、撮影の初日だ。私達はメイク室でまっていると、事務所の付き人佐知子さんが、ある男性を連れて入ってきた。
私はびっくりした。
あの電話を聞かれた茶髪の男性だった。
(佐知子)あー東京のいつものメイクさんがこられなくてね、急遽助っ人を探したの。彼も優秀なヘアメイクさんよ。
(橋本)よろしく。深田花音さん。僕は橋本泰明といいます。
昨日の事は何事もなかったように、彼は笑って挨拶してきた。
私も軽くお辞儀をした。
彼は、すぐに私のメイクを始めた。
(橋本)深田さん、ドラマよく出てますよね。可愛い人だなって思ってましたよ。
なんだ、感じの良い人じゃん…私はホッとした。
今日はヒロイン七海役の私が、階段を駆け下りて彼氏役、矢野を追いかけるシーン。
矢野ーっ!私は彼の声をよぶと、手すりをつかんで階段を駆け下りだした。
その時、ガクッと私は体のバランスを崩した。
階段の手すりが、急に外れたのだ。
私は階段の下へと落ちていった。
大丈夫ですか?スタッフが集まったが、幸い膝のかすり傷程度ですんだ。
おい!大道具ちゃんと、チェックしとかないとダメじゃないか?
スタッフのどなり声がひぴいた。
休憩室で、佐知子さんが私の足に消毒をして絆創膏を貼ってくれた。
(佐知子)大丈夫?初日からこんなアクシデント嫌よね~
と言いながら。
その夜は元貴から電話がかかってきた。
元貴との会話は癒やされる。でも、今日の事件の事はさすがに言えなかった。
次の日がやってきた。
(橋本)深田さん。ちょっと顔色悪いね。今日は明るめにメイクしておこうか?
ヘアメイクの橋本さんが、そう言ってメイクをしてくれた。
今日は教室で矢野と七海が話しをするシーン。
私が席に座っていると矢野が話しかけてくるのだ。
スタート!の声で私達は演技を始めた。
すると突然スタッフの、危ない!と言う叫び声が聞こえた。
近くにいた矢野役の安達さんが、私の手をひっぱって、かばってくれた。
調度私の真上にあった照明が落ちてきた。
このままあそこにいたら、確実に私は大怪我をしていただろう。
周りがざわつき始めた。
その日の撮影は中止になった。
昨日といい誰かがわざとやってるんじゃないか?
スタッフのそんな声が聞こえた。
(佐知子)花音ちゃん大丈夫?マネージャーに連絡しておこうかしら?
佐知子さんが心配そうに言った。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。