ゆっくりと体を起こす。
すると近くにあいつが座っているのを確認する。
今こいつは寝ているのだし、また自殺を死に行こうっと♪
そんなうきうきで障子を開けようとした瞬間だった。
腕を、思いっきり強く掴まれた。
かなりの痛みに顔をしかめる。
一応確認してみると、やはりあいつだった。
答えずにいると、掴まれる力が強くなっていく。
…諦めるか。
素直に答えると、あいつは腕を掴んでいた手を離す。
だがまだ痛いので、軽く腕を振り、折れていないのか確認する。
折れていない。
安心したあと外に出る。
するともう夜になっていた。
そう呟いた数秒後だった。
何故かあいつはクナイを心臓に刺してきた。
いきなりのことで頭の理解が追いつかない。
しかし理解する前に、意識が消えていく。
そして完全に意識が無くなる前に見たあいつの顔は、笑っていた。
あたりを見渡す。
するとそこは画面が1つだけある黒い空間に飛ばされていた。
私は適当に座る。
そして数分後、画面には森だけが映る。
あいつも私の時は来なければいいのに。
そして映った数秒後、声がする。
…こいつは、私であって私ではない。
いわゆる、二重人格…、というものか。
私がここにいる間は、私にこいつの痛みや怪我はこない。
だが、あいつが見ている景色だけは見れる。
これが出るか私が出るかは、ある意味運次第だ。
私が暫くの間出ることもあれば、全くでない、またはほぼ交代して出ることもある。
まぁ良い。
こいつの醜い姿を暫く眺めとくか。
…気持ち悪い…。
学習されてるに決まっ……、してないな。
はぁ~…。
なにしたいんだこいつは。
……なんでこいつだけ妖術に掛かっていないんだ?
…これは……
…あいつ、本当に訳が分からないな。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。