第7話

︎︎⟡ 05
300
2026/01/21 07:43 更新







さっき会ったセラフさんと同じクラス
なのだ、と先程一気に話された話の内容を
四季凪さんと他愛のない話をしながら咀嚼する

ゆっくり咀嚼していくと、セラフさんって
優しい人、ということが改めて
わかった気がする


だって、知り合って1日も経ってないのに
もう2回も助けられちゃった

これはちゃんとお礼しないと




あなた
    (  あ、教室着いた  )    





なんとなく、今まで置かれた環境を
思い出して指先が空中に留まる


……怖い、幾つもの私を嘲笑う顔が
私を纏ってくるような、縛ってくるようで

急に周りの酸素が薄くなったみたいに
呼吸に浅くなって、視界がぼやける




skng
    ——大丈夫ですか?    
あなた
    ぁ、…しき、なぎさん    





後ろにいたはずの四季凪さんの声が
横に聞こえてきて、空中に留まってあった
手が別の温度に包まれると、ハッと意識が戻る




あなた
    すみません…!今開けますね    





急いでにこっ、と笑顔を絞り出して
教室をドアをガラガラと開けて

ザッ、と教室を見渡すと空いている席は
ぽつぽつあるもののほとんどの席が
埋まっていて、私遅かったんだな、と
罪悪感が生まれる


…と、同時にこっちを見つめてくれてる
らしかったセラフさんとパチッと目が合う




srp
    君大丈夫だった?    
あなた
    …はい    





さっきの錯覚に抜け出さなくて
おどおどとした、かなり震えた声が出た

それを見たセラフさんは何が言いたそう
な顔をしたけど、遠慮したのかすぐに
四季凪さんに話を振った




あなた
    (  大丈夫、落ち着け…落ち着け  )    





もう私は違う所に来てるんだから、1歩
踏み出してきたんだから

爪がめり込みそうなくらい強く拳を握る
痛みで自分を無理やり落ち着かせつつ
楽しそうにお話してる2人の様子を横目で見た


……うわー、やはりお2人は顔がいい
喋る場面でさえ、1つの絵になるんだもんね




あなた
    そうだ、——セラフさん!    
srp
    ん?    
あなた
    天花あなたです、しっかり    
覚えててくださいね





さっきの暗い顔を誤魔化すそうに
元気な声色でにこり、と口角を上げて
人差し指を口元の所に軽く置く




srp
    ははw  しっかり頭に    
焼き付けておきますよ
あなた
    はい!私もセラフさんのお名前    
知れて嬉しいです





私の心の古い傷と手のひらに残っている
爪がめり込んだ跡も全部包んで隠した
ような優しい笑い声に気持ちが軽くなって

思わず何も包み隠せてないどストレートの
言葉を発してしまって、ほんのりとした熱
が頬に留まった


セラフさん気づいてないといいな…




skng
    イチャつくのはいいけど    
人前は控えろセラお
あなた
    …へ    





そういえば、ココ教室じゃん…私なんかが
セラフさんと仲良くしてたら、釣り合わない

反射だった、その考えが出た瞬間
私はすぐにさっきの表情をしまって
セラフさんと四季凪さんに改めて




あなた
    よろしくお願いします、お2人共    





にこりと業務用の笑顔を取り出して
笑ってみせる、私なんかがセラフさんと
人前で喋るわけには行かない

これからは気にかけないと、四季凪さんとも
程よい距離感を保って接していこう


私がここに来たのは同じくこの学校に来た
"あの子"に相応しい親友でいる為だから

できるだけ、あの子には迷惑を掛けたくない




skng
    いえ、こちらこそ
よろしくお願いします
srp
    ………    
あなた
あなた
    セラフさん…?    
srp
    あ、ごめん、よろしくね    





セラフさんのなんだか悲しそうな笑顔に
胸がぎゅ、となんだか苦しくなったけど
上手く微笑み返した





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈





その後は先生が来て、軽く自己紹介をして
明日の知らせも確認してから放課後を迎えた

そしてあの子と約束してた放課後で
待ち合わせていた場所に早めに着いた




    ごめん、あなた遅れた!!    
あなた
    全然待ってないよ、明希    
akane
    あなた〜!ありがとう…    
あなた
    っわ、明希急に抱きついて来ないで!    
akane
    やだ、あなたいい匂いする    
あなた
    明希、おっさん臭いそれは    
akane
    ん?    
あなた
    嘘だってw 明希はいつもかわいいよ    





私の懐の中にいるのは"あの子"こと柳 明希
私がナンパされている明希を助けたのが
キッカケで、この学校に来たのも明希の提案だ




akane
    ていうか、聞いてあなた!    
あなた
    どうしたの?    





肩を並べて、他愛もない話をしながら帰路
についていると、明希から話題にかぶりつく




akane
    私、恋した    
あなた
    えだれだれ?    





予想より斜め上の話題に私は戸惑いながらも
話題を聞き返すと「 一旦聞いて 」と
困りながらも恋する乙女みたいで黙った




akane
    一目惚れだったんだけど
セラフ・ダズルガーデンって人
akane
    めっちゃカッコよくて優しくて    
好きになっちゃった
あなた
    セラフさんなんだ…    
akane
    あなた知ってるの!?    





まさかの恋する対象はセラフさんで
セラフさん確かにかっこいいもんね…と

納得しつつも、呟く声が不覚にも届いて
しまったみたいで、すぐにきらきらした目
で聞き返された


それに対して「 知ってるというか… 」
「 私の席の後ろなんだよね 」と答えると




akane
    えーいいなあ、羨ましい!!    





「 そうかな〜 」と言うとすぐに
「 羨ましいよ 」と返されてゆっくり頭に
溶かしていると「 そうだ! 」の声




akane
    あなたに私の恋をお手伝い    
をして欲しい!
あなた
    え?    





私が狼狽を声にすると、明希は言い訳を
するように捲し立てて喋り出した




akane
    ほら…1人だと心寂しいし
1人応援してくれる人がいると
嬉しいなあって言う…





その様子は私にとってきらきらと星が
また出ていない時間なのに眩しいって感じて

顔が赤い明希を見て、恋ってこんな風に
女の子を可愛くするんだ、って同時に思った


断る理由も見当たらなかったから、私は
明希といたら恋が出来るかもという下心を
抱きながら




あなた
    ……うん、いいよ    





と、頷いた





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