そう呟いても誰も教えてくれない。
そりゃそうだ。早く来すぎて誰もいないもん。
きょろきょろ周りを見渡すが、木と草とどっかの壁があることしかわからない。
どうやら私は入学式当日に迷子になっちゃったらしい。
ぶつぶつ言いながら進むが、全然校舎にたどり着かない。
それどころか「ここほんとに学校?」と言いたくなるくらい草がぼうぼうになったところにたどり着いた。
うーん、とうなっていると、突然声をかけられた。
びっくりして顔を上げると、その人は優しげな顔でニコリと微笑んだ。
靴を履きながらお母さんに声をかける。
寝室の方で小さく声が聞こえたので、玄関のドアノブに手をかけた。
ガチャ
ドアを開けると、昇ったばっかの朝日が目に飛び込んできた。
普通にまぶしい。
光を腕で遮りながらバス停に向かう。
10歩くらい進んだところで、前が見えないせいで電信柱に当たった。
頭にできた小さなたんこぶをさする。
あわててバス停に走り、バスに乗った。
がら空きだったので出口側の席に座る。
ほっとし、持ってきた本を開いた。
そこでふと思った。
無言で腕時計を確認すると、AM5:30と表示されていた。
1時間後、家では。
寝ぼけてて見送ったことを覚えていない母であった。
最寄りのバス停についた。
腕時計を見たら、ようやく6:00になってた。
…いやまだ6:00!?
HRが始まるのが8:30だから、時間には2時間半も余裕がある。
教室に行こうにも、そもそも学校が開いてない。
そう思ったとき、
ぐるる
小さくお腹の鳴る音がした。
そういえば、朝はシリアルだけ食べて出かけたっけ。
近くにあったコンビニで何か買うことにした。
AM7:00
おそるおそる校門を開ける。
力をこめると、ギギギ…と錆びた音がしながら、ゆっくり開いた。
胸を撫で下ろし、中に入る。
校門のそばには、色とりどりの花が花壇に咲き誇っていた。
アスファルトの道の脇にも、木がたくさん植えてある。
校舎の近くにも草が生い茂っていた。
でも無造作に生えてるんじゃなくて、きちんと整備されている。
そういえば校門への道にも桜が植わってたな~。
こんな緑豊かな学校に来れてよかった、と嬉しくなった。
校舎の近くの草むらに足を踏み入れる。
スカートからはみ出た足に、草のチクチクした感じが伝わって、ちょっとくすぐったい。
私は駆け寄り、いつもポケットに入れてる虫眼鏡を取り出した。
にまにましながら見ていると、近くにハルジオンがあるのに気づいた。
太陽みたいな形のハルジオンを見てると、なんだか元気がでてくる。
他にもタンポポとかカタバミとか、たくさんの花が咲いていた。
カメラ持ってくればよかった…。
夢中になって観察し、ふと顔を上げると、
全然知らない場所にいた。
そして話は冒頭に戻る。
※後書きなんで読まなくて大丈夫です
どうも、作者です。
第3章のはじまりはじまり~。
いつの間にかぐさおさんが天然キャラになってました。
しっかり者って感じになりながら可愛く書けるよう精進します!
ではまた次回。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。