夜
俺は記憶があるうちに片っ端から全て調べあげた。
仕事がない代わりのこの時間は俺とパソコンとのにらめっこ対決になっていた。
でも、いくら経っても情報は得られなかった。
行方不明に関する情報はあったが、夢の中の関連性はゼロに等しかった。
俺はふとボムギュから借りたクマのぬいぐるみを手に取る
真ん丸な瞳に少し傷がある身体。
俺は前からこのぬいぐるみに愛着が湧いていた。
なんだか守ってあげたくなるような感覚だった。
久々のパソコンとのにらめっこで俺の目は限界だった。
ブルーライトカットのメガネでも長時間はきつい。
俺は目を休める為にも少し眠りについた。
独特な植物の匂いに俺は目を覚ました。
俺はまたあの森に入っていた。
手や足の感覚を脳に全て意識させながら確認する……
やっぱりこれは夢という曖昧なものじゃない。
二度驚く暇も無い俺には「スビンを探す」それだけを考えながら、より森の奥へ足を踏み入れた
左右を確認しながら奥へ進むとあんなに眩しかった光が消えていき、霧のような場所に変わっていった
あっさりと見つけた1回目とは違い、人の気配を感じられずに俺はただただ森を歩く
探し歩いていると奥の方で大きな木に座り込んでいるスビンを見つけた。
俺は駆け足でスビンの元へ向かった。
俺は見つけた喜びと今までの寂しさが押し寄せ涙が出そうになりながらスビンを抱き締めた。
スビンの目線の先に向けると俺の手の中で握られていたあのクマのぬいぐるみだった。
いきなりのスビンの問いに俺は言葉を詰まらせた。
分かってる。
本当は「好きだ。幸せだ。」って伝えるべきだ。
スビンと一緒に居て幸せじゃない時なんて無かった。毎日が安らかで楽しい。
なのに俺はすぐに言葉を発する事が出来なかった。
きっと後悔するって分かっているのに。
スビンは溜息をつきながら今にも泣き出してしまいそうだった。
また視界が暗くなり、そして前回よりも濃く霧にかかった様にスビンが消えていく。
窓の外から聞こえる雀の鳴く声と共に俺は目を覚ます。
後悔と不安と色々な感情で俺はぐちゃぐちゃだった…
あれ、俺…誰の事言ってるっけ…















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。