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第6話

森の妖精
9
2021/09/06 10:01
夏輝と氷牙は神殿に向けて歩き始めた。
目視できるので、道がわからなくてもら何とか近ずける。
名取 夏輝
名取 夏輝
そういえばお前さ、神能寺側に居たんだし何か知らないか?
息吹 氷牙
息吹 氷牙
うーん、ごめんなさい。ホントぼんやりとしか覚えてなくて、何もわからないです。
名取 夏輝
名取 夏輝
そっか。まあ、そうだよな。
息吹 氷牙
息吹 氷牙
あ、でも!
名取 夏輝
名取 夏輝
うお!なんだよ、いきなり驚かすな!!
息吹 氷牙
息吹 氷牙
『半人半神の力がもたらすは混沌の世界』
息吹 氷牙
息吹 氷牙
って言ってたのだけ、覚えています。
一瞬ドキッとする。
なぜなら半人半神という単語に、夏輝は心当たりがあった。
_____幸雅真だ。
名取 夏輝
名取 夏輝
(でも、確かに幸雅が産まれただけで世界のパワーバランスが崩れる位だ。幸雅の力を利用すれば、色々なことが出来るのかもしれない。)
息吹 氷牙
息吹 氷牙
名取さん?
名取 夏輝
名取 夏輝
いや、なんでもない。
幸雅真が半人半神だということは機密事項。特殊制圧隊と特殊物体特務本部の上層部しか知らないし、知ってはいけないことなのだ。
それをこの新人エージェントに打ち明ける訳にもいくまい。
やがて、森に出てきた。
息吹 氷牙
息吹 氷牙
結構遠いですね…。
名取 夏輝
名取 夏輝
まぁ目測でも1日かかりそうだしな。
息吹 氷牙
息吹 氷牙
あ、名取さんなんか神獣とか出せますよね?鳥とかの背中に乗っていけば…
名取 夏輝
名取 夏輝
ここで目立った活動をして、神能寺に目を付けられたら困る。だから、今は我慢しろ。
息吹 氷牙
息吹 氷牙
はーい…
ザワザワザワ
息吹 氷牙
息吹 氷牙
 木がザアザア言ってますね
名取 夏輝
名取 夏輝
そうだな。
ザワザワザワザワ
息吹 氷牙
息吹 氷牙
…そんな、風強くないですよね?
名取 夏輝
名取 夏輝
…そうだな。
ザアザアザワザワザアザアザワザワ
息吹 氷牙
息吹 氷牙
え、なんかおかしくないですか!?これ台風来てる時の木の揺れ方ですよ!!
名取 夏輝
名取 夏輝
そうだな!臨戦態勢!
名取 夏輝
名取 夏輝
ああ畜生、この世界はちょっと歩いただけでエンカウントすんのかよ!!
夏輝は薙刀を呼び出した。
息吹 氷牙
息吹 氷牙
名取さん!
夏輝に何かが高速で飛んでくる。
しかし夏輝は全て叩き落とした。
息吹 氷牙
息吹 氷牙
すごい…身体はその場から動いてないのに…!
名取 夏輝
名取 夏輝
随分と舐められたものだな。
息吹 氷牙
息吹 氷牙
え、あっごめんなさい!!
名取 夏輝
名取 夏輝
お前じゃねぇよ…
名取 夏輝
名取 夏輝
特務本部エージェントよりも実力を持つ特殊制圧隊員相手にこんな陳腐な攻撃じゃ、かすりもしないぜ?
???
???
『……ええそうね。』
声が、どこからともなく聞こえてくる。
名取 夏輝
名取 夏輝
(…反響しまくってるみてぇで居場所がわかんねぇな。)
???
???
『あなたは強いもの。でも、私はエルフ。自然の化身、生命力の塊。』
???
???
『…選択肢を、増やしてあげるね』
またも何かが飛んでくる。
今度は、氷牙に向かっている。
息吹 氷牙
息吹 氷牙
俺だって!
氷の壁を生み出し阻む。
名取 夏輝
名取 夏輝
息吹、後ろだ!!
息吹 氷牙
息吹 氷牙
へ…?
本命は、油断した後に放った攻撃だった。
氷牙は動けなかった。
息吹 氷牙
息吹 氷牙
(あ、ヤバい。死ぬ…………)
ぎゅっと目をつぶった。

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