あの子たちを買ったオークション会場を少し荒らし、運営者たちをその混乱に乗じで始末する。
と言うのが今回の仕事内容で、前の任務とは別での依頼なため、お金も入ってくる。
そう、1つ難点があるとすれば時間がかかる事。
片道、本気ダッシュで1時間ほど。歩きで3時間ほど。
そこに仕事となれば、帰るのには最低でも4、5時間程かかるだろう。
勿論、近道をフル活用すればもう少しだけ早く着くが、そうなると人目に付きやすいのが難点なのだ。
今回は前回と違い、偵察ではなく完全な始末。
近くでこの人を見たなどの証言がある訳にはいかない。
取り敢えず魔法を使わずに体を鍛えた私にとって、攻撃用の魔法はできるが、身体能力を上げる魔法は体が追いつかずに転ぶ恐れがある。
そのため、基本は素の体で走っている。
オークション会場は意外と大きな建物で目立つのだが、表向きは貴族の舞踏会なため、過去に一度も運営側は捕まっていない。
裏口の方に回って配置を確認する。扉前に2人、見回っているのが2人3組の計6人。
正直倒せない数ではないが、相手が魔法を使えた場合と全員を相手して居るうちに運営側に連絡がはいるのは避けたい。
つまり、会場へ入るためには客として侵入か、別の所を破壊して侵入。もしくは窓から侵入するか。
となれば、商品が置いて居るか、運営者達がいるであろう一番上の階に近い天井から入るべきだろう。
会場のてっぺんに登ると、さっきまで居た地面との距離に驚かされる。
会場の端の方の屋根に手を当て、魔法を使う。
【毒属性 中級:腐敗】
ボコボコと音を少したてて崩れていく。人一人通れる穴があいたところでその穴に飛び込んだ。
結構な広さの天井裏は、歩いて通れるぐらいで、少しすると下に通じそうな扉を見つけた。
耳を近づけてみても人の声、足音が聞こえず扉をガタッてあけ、そのまま着地した。
広がる真っ白な空間は、いかにも高そうな素材で出来ている。
思い切ってその部屋の扉を開けると横幅が人5人程通れる広さで、前の方から人が来ていた。
警備達に見つかってしまった、それも人の多い。
トランシーバーを手に持った奴を思いっきり蹴る。
鈍い音がなったが、多分寝ているだけだ。
そのまま近くの警備員達に魔法を使う。
【無属性 上級:強制睡眠】
10人ほどが眠り、後の5人をそのまま相手する。
この魔法は強制的に眠らせるため、必ず30分以上は寝ているが、それ以降はいつまで寝ているか分からない。
5人のうち指示している人含め3人が向かってきた。他の二人は腰から銃を抜いてこちらに構えている。
指示役の奴が先頭、後に2人が続く形で向かってくるが、指示役の剣に魔力がこもっている。
剣に巻き付くように渦を巻いた炎が燃え盛る。
【水属性 改:水槍】
水槍を避けられ、そのまま突進してきた指示役の剣が僅かに手にかすった。
手を振って火を消すが、軽い火傷になってしまった。
幸い、指示役に続いていた2人は水槍がお腹の辺りに当たって倒れた。
少しだけ、炎による暑さのせいか、汗が背中を伝った。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。