大塚side
練習が終わってもトキの様子は変わらなかった
ていうか悪化してる
確実に目が死んできとる
荷物を片付けて部屋に戻ると
トキがベッドに仰向けに寝っ転がってた
顔に小川さんに拾ってもらったタオルを掛けて微動だにしない
…死人か?
タオルをとれば涙を一筋流して虚空を見つめてる
よかった、いつものトキだ
泣いてんのも、対人関係で悩んでんのも、全部俺は初めて見る
でも根っこはちゃんとトキで、何年も会ってなくとも俺と接する態度が変わらなくてちょっと安心する
ふざけたことを言ってるけどまだ目は赤く腫れてて、顔もどこか疲れてる
珍しいわがままだって俺ぐらいしかできる奴がいないと考えるとトキが可哀想に思えてくる
…誰にも縋れないよりはマシかな
鴇崎side
脱衣所に着けば1人先に入ってる人がいたらしく荷物が置いてあった
誰だろうと思いつつも扉を開ける













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!