五条悟 side.
準備を進める硝子を横目に、伊地知に言う。
すると伊地知は知ってます、と間髪入れずに答えた。
動揺する伊地知を無視して、話を続ける。
実際、学生の頃の僕だったら、人に何か教えるなんて
考えもしなかっただろう。
伊地知の方を見ると、彼は戸惑いながらも何でですか、と質問をしてくれた。
横で伊地知があぁ…と声を漏らすのが聞こえた。
『…悠仁もその1人だった。』
言葉の奥に、消えきらない悔しさが残る。
思わずぐっと拳に力が入る。
準備を終えた様子の硝子が、手袋をはめながらこちらを見て言う。
そう言い終わるか否か、硝子の背後で起こったことに目を疑った。
僕らが驚いている様子に、硝子も後ろを見ると
あっ、と声を漏らした。
目の前で起こったことに思わず吹き出す。
パニック状態の伊地知が指差した先には、つい先程まで
硝子に解剖されようとしていた悠仁が、まるで何事も
なかったかように起き上がっていた。
台に座っている悠仁を見て硝子はちょっと残念、と
眉を下げる。
そう呟く悠仁に、硝子は何か着るものを取りに行った。
片手を掲げると、おっす、ただいま!と言う悠仁と
手のひらを打ち合わせた。
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次回まで五条先生サイドで書きます!😖













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。