前の話
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_____真っ暗闇が取り巻くこの世界に何を描こう?何色に彩ろう?
そんなことを、転落防止の柵に跨がりながら考えていた。
自分の透明感のある茶色の髪の毛が、風に惨めにもゆられて、それに呼応するように池の水も揺れて。
泪で滲んで、何も見えなくなって、
青と緑の見分けなんかつかなくなって、
足の間に風が通る。
だからこそ、そこに誰かが存在ることに気付かなかった。
そこに居たのは、可愛らしいピンク髪の、今にも消えてしまいそうな透き通った肌を持つ、
同級生の「のあさん」だった。
…私は黙り込んだ。別に嘘を吐いてるわけでもない。
けど、なんか、こう、その瞳に吸い込まれるように。見入ってしまって。
足を滑らせたのか、或いは自らやったのかは、分からなかった。
けど、確かに水は音を立てた。彼女は姿を消した。水滴の冷たさがこちらへ伝わってきた。
____なにかを話している
夜の暗がりでよく見えなかったけど、彼女は服を着たまま深い池へと降りていた。
でも彼女は、此方へ手を伸ばして、やさしい微笑みを浮かべて。
もはや正気の沙汰ではなかった。
私は首を横に振った。
目の前の未知、恐怖を前に、死にたくないという感情が何よりも出しゃばった。
彼女は震えて弱々しい声でそう言った。
胸に激痛が走る。
心臓が早く脈打つ。しもやけの指の先までが温まる。
まさにその通りだった。私は、
____かわいくて、やさしくて、どこかふわふわしている。そんな彼女が好きだった。
そして、ずっと思ってた。何度も挑戦した。「何時かきっと、告白するぞ」って。
甘く儚い恋をしていたのかもしれない。
でもそんな恋の存在を、まさか彼女は勘づいていたのだろうか。
それとも、からかっているだけなのだろうか。
…私には、理解かることはなかった。
______でも、
今ならなんとなく、全部言える気がした。
…やっぱりまぁ少しの期待はしていたけど、案の定間接的に否定されたような感覚になる。
同時に、自己嫌悪に陥る感覚もした。
彼女は、だいすきな彼女は。少なくとも、私と"友達"であることを望んでいる。
そんなことにも気づけなかったの?
そんなことにも…
水面に写った自分の顔は、絶望を写しだしていた。
もしかすると、自己嫌悪でどうにかなってしまいそうになっている表情かもしれない。
…そして、彼女の顔がほのかな月明かりに照らされ、青白く輝く。
_____ここに立ってはいられないほどの引力を感じた。
単なる思い込みだけど、とてもここに立ってはいられない。
私は彼女の白い腕を取った。
_____水は音を立てて、私たちの身体は暗闇の中に溶けていった。
最期に、彼女の顔を眺めながら、こう言った。
すると彼女は、ほくそ笑んで、
_____と言った。
全て分かりきったことだったらしい。
そうして、ふたりの甘い身体は水の中に溶けてなくなった。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。